校長通信

子ども達の底力を発見!

5月18日(火)は運動会。昨年度の運動会は中止。代わりに「運動がんばろうウイーク」として各学部それぞれで考えた競技をそれぞれで行いました。今年こそは!と担当者が気合いを入れれつつも、新型コロナウィルス感染症の拡大防止対策を講じるに当たり、私たちは考えました。保護者の皆様に応援いただくには、小学部、中学部、高等部、それぞれに行う分散開催しかない。土曜日に開催し、保護者の皆様の声援を浴びて行いたい。しかし、それを一日の日程で行うには、各学部1時間程度。雨天の場合はどうするか。などなど、さらに考えました。私たちは、昨年度の高等部3年生がリーダーとなって引っ張るものがほとんどなく、生徒達に寂しい思いをさせてしまったことを覚えています。「今年こそは、生徒の心に一つでも多くの思い出をつくりたい」(本校だけでなく、全国全ての先生達は共通の思いをもっているに違いありません)。そこで、全校児童生徒で、子ども達による、子ども達のための運動会にすることとし、平日開催を決めました。保護者の皆様には、「応援したい、この目で子どもの頑張りを見たい」という気持ちに応えられず申し訳ありませんでした。しかし、予行が行われた5月13日も本番当日も、運動会日和!これはまさに保護者の皆様の思いが青空を呼んでくれたのです。空はつながっている、思いもつながっている、そう実感することができました。その思いに応えて、全力疾走の徒競走、友達と協力し合った学部種目、力と力がぶつかり合った綱引き、天を目指して玉を投げ上げた玉入れ、バトンで思いをつなぎ合った色別対抗リレー、子ども達は、全ての競技で自分がもっている力を存分に発揮しました。中でも、普段、車椅子に乗っていることの多い子が、自分の足で、またはウオーカーを操作して、または動かすことができる手を使って、力一杯ゴールを目指した姿を忘れることができません。そしてさらに、生徒会長のM君が、周りに競争相手がいなくなっても、ゴールテープを切るまで全力疾走した姿に感動!子どもが本来もっている力を見せてくれる、学校行事の意義はここにあり!素晴らしい一日をありがとう。

5月24日(月)、全校田植えを行いました。予定では、21日(金)の実施でしたが、生憎の雨(でもきっと、神様が少し休めと降らせた雨)。当日は曇り空でしたが、田植えには程よい天気。苗の植え方を聞いて、早速田植え開始!泥の中を歩いて進むことと苗を植えること、この二つをほぼ同時に行うことは至難の業。案の定、空になった長靴が田んぼの中に点在。長靴におさらばした子どもは心なしかうれしそう。苗を植えることよりも、泥んこになることの方が大事な時期ってあるなあと、子どもの頃に裸足で田んぼに入って遊んだことを思い出しました。中学部や高等部の生徒達も、歓声を上げながら泥と格闘していました。天井のある建物の中と違って、どんなに伸びても手が届かない空に見守られ、こんなにも生き生きとした表情を見せる子どもたち。まだ見ていない力がまだまだあると感じた一日でした。    5月25日

新年度が始まりました! 

例年に比べ、とてつもなく早い勢いで桜の開花の声が聞こえています。冷たい風につぼみを堅くしていた校地内の桜の木々も、春の暖かな日差しを受けて一つ二つと花をほころばせ始め、5分咲きくらいになってきました。昨年度は臨時休業があり、子どもたちのいない学校でひっそりと咲き、散っていきました。せめて写真で見てもらおうと、子どもたちが登校する日のために校内のあちらこちらに掲示したことを思い出します。今年は、子どもたちとともに桜を愛でることができます。小さいようで大きな幸せです。

さて、今日は入学式。小学部5名、中学部7名、高等部14名の新入生を迎えました。新入生の皆さんは緊張した面持ちでしたが、希望に満ちたキラキラと輝く目をしていました。在校生は、教室等からオンラインで流れる映像を見ながら新入生を歓迎しました。代表して歓迎の言葉を述べた児童生徒会長もまた、キラキラした目をしていました。101名の子どもたち、一人一人がもっている力を発揮して、よい学校を創っていきましょう。

保護者の皆様、地域の皆様、関係する全ての皆様の力をお借りして、この一年を充実したものにしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

2021年4月8日

さみしさのゆくえ

ある日、高等部の生徒が話を聞いてほしいと校長室にやってきました。卒業式に在校生も出してほしいとの訴えでした。今年度の卒業式は、卒業生とその保護者、児童生徒会役員、関係する教職員のみが体育館に入って行うことにしました。在校生は教室等で式の様子をテレビ画面で見守り、間接的に参加します。コロナ禍における感染症予防によるものです。しかし、このような形での参加は、とても淋しいと生徒は言いました。学び舎を去りゆく先輩の姿を、直接目に焼き付けたいということでしょう。子どもたちは、大人ほど多くの「別れ」を経験していません。その大人でさえ「別れ」への慣れや心の準備は無に等しいです。子どもたちはなおさらでしょう。淋しさはどこへいくのでしょうか。誰かが救えるものでしょうか。そんなことを考えながら、「淋しいという心を、がんばれというエールに換えてほしい。体育館にはいなくても、離れた教室から気持ちを届けてほしい。見えなくても、心は届けることができる」と話しました。やがて見送られる日が来るこの生徒が、淋しさを乗り越えて胸を張って卒業できるように、この卒業式を素晴らしいものにしたいと心から思いました。

外は吹雪。青空が見えたと思ったら、あっという間に視界ゼロ。ここは山頂か!  2月24日

1年の計

2021年、年が明けて間もなく1か月となります。

冬休みがもうすぐ明けるというころ、能代をはじめ、県内の多くの地域が暴風雪に見舞われました。朝、一時間半ほどを掛けて学校にたどり着くと、どこまでが校庭でどこからが校舎なのか分からないほど一面真っ白で、校舎に入るのも一苦労でした。午後になって、少し風が収まり、何を思ったか窓を開けてみました。しかし、窓は空いたものの、窓にはびっしりと同じ大きさの氷が張り、パンチで氷を割らない限り外の様子は見れそうもありません。パンチをして負けてしまいたくなかったので、何事もなかったように窓を閉めました。子どものころは、こんなことも普通にあったような気がするなと、雪が少なくなったことにすっかり慣れてしまった柔な自分が可笑しくなりました。

この暴風雪の影響で、能代市はもちろん県内の多くの地区で停電となり、寒さと風の音に震えた方がたくさんいらしたこと、未だに停電の影響を受けている方ががいらっしゃること、大雪に見舞われている県南地区の方々にずっと心を寄せていたいと思います。

1月14日、子どもたちの声が響き渡り、学校が息を吹き返したように明るくなりました。

各教室前の廊下には、冬休み中の思い出絵日記、毛筆で書かれた一年の抱負が掲示されています。雪が積もった冬休みは、そりなどの冬にしかできない遊びをプレゼントしてくれたようです。「籠球上達」「階段運動」「体力向上」「丈夫な体」などの身体を鍛える目標もあれば、「静」「悟」「集中」などの精神を鍛える目標もあり、頼もしい限りです。「目標達成」できるよう「無我夢中」で頑張って!

本校の前庭には「タゴール」の像が立っています。タゴールは、インドの思想家、哲学者、画家、詩人であり、1919年にアジア人として初めてノーベル賞を受賞した方です。ヒューマニズムや人間の尊厳を尊重する思想は、障害のある子どもの教育の理念に通じるもの、その思いを込めて初代石井校長が建立したものです。開校2年目のことでした。当時の生徒会長が、「この像を見ていると、気持ちが落ち着く」というようなことを話したことが記憶に残っています。私も、心を落ち着かせて、タゴール像に向き合わねば。

車窓から

ある日、玄関に出てスクールバスを見送ることができず、出発したバスを校長室の窓から手を振って見送りました。すると、それに気が付いた生徒がこちらに向かって見えなくなるまで手を振り返してくれました。出会ったころのその生徒は、バスに乗るとすぐに下を向き、挨拶もせず、手を振ることなど至難の業といった様子でした(実は人見知りで、赴任したばかりで、しかも子どもたちの前で話す機会が極端に少なかった私を知らなかったせいかもしれません)ので、車窓から見えたその光景がうれしくてたまりませんでした。一瞬で「校長室の孤独」から解放されました。ありがとう!

今年も雪が降りました。車窓から見える景色がモノトーンの世界に変わりました(必死に運転しているため、景色を楽しむ余裕はあまりないのですが)。外気温はマイナスを示しているのに車内は28度に温度設定され、窓が外からの寒気の侵入を阻んでくれています。時折窓を開けて換気をすると、眠気が一気に吹き飛びます。窓は、内と外とを分けるものであり、またつなぐものでもあると感じました。安全運転を心掛けながら、車窓から見える景色を楽しみたいと思います。

冬季に隔年で行っている「能代ウインターカップ」。「バスケの街 能代」に立地する本校主催(今年度は、秋田県特別支援学校体育連盟が共催)のバスケットボール大会です。今年度で第5回を迎え、12月19日(土)に能代市総合体育館を会場に開催しました。コロナ禍で開催が危ぶまれましたが、県内7校男女合わせて11チームが参加し、(ほぼ)無観客、大きな声を出しての応援なしの中、熱い戦いが繰り広げられました。本校は、女子優勝、男子準優勝の成績を残し、高等部3年生の最後の大会に花を添えることができました。準優勝は、最後の試合で負けてしまうため、選手にとっては残念な気持ちが強く残ってしまいますが、一人一人が最後まであきらめずに戦ったこと、決勝まで勝ち上がるまでチーム一丸となって戦ったこと、初めての大会でも臆せずに試合に臨んだこと、そのすべてが賞賛すべきものだと思います。男子も女子も、みんな、素晴らしい戦いぶりでした。

明日から冬休みに入ります。登校した子どもたちは、いつもに増して元気そうに見えます。いろんなことがあったと思うけれど、胸を張れる1番の出来事が、どの子どもにもあるはず。頑張っていれば、必ずいいことがあると信じて、子どもたちにとっても、保護者の皆さんにとっても、職員にとっても、そして、世界中の人々にとっても、希望に満ちた一年になることを祈ります。

車窓から見える景色は、車に近いところは反対方向にものすごい速いスピードで過ぎ去っていきますが、遠くに見える月は、ずっと寄り添ってついてきてくれます。そんな月のようになりたいと思います。                                                                                     12月25日

学校祭大成功!

 今年度は、新型コロナウイルス感染症によってほとんどの学校行事を中止せざるを得ない状況にありましたが、今年度初の全校挙げての学校行事、学校祭を開催することができました。
 10月23日(金)に学校祭第1部として高等部44名による「能代支援学校ミュージカル『桃太郎、発つ!』」を能代市文化会館で公演しました。10月31日(土)には学校祭第2部として、小学部21名による「ブレーメンの音楽祭」、中学部32名による「能代三国志」のステージ発表を行いました。高等部生は、第2部でも校内の装飾や清掃、観客席の消毒作業、受付や誘導など、率先して頑張ってくれました。
 能代支援学校ミュージカルは、今年度で25回目の公演となります。地域のたくさんの方々に支えられた本校の伝統ある行事の一つです。感染症予防対策を講じながら、数か月間に及ぶ稽古、稽古、稽古。台詞、歌、ダンス、間合いetc、覚えることや準備することが山ほどあり、生徒たちは逃げ出したい気持ちと必死に戦っていたと思います。生徒を支える職員もまた、地域の先生の所に出かけて歌や振付を覚えたり、衣装を作ったり、連日遅くまで話合いを重ねたり、この日のために力の限りを尽くしてくれました。
 いざ、本番! 生徒一人一人が、これまで繰り返し繰り返し行ってきた稽古に裏打ちされた、自信に満ちた表情で、見事にそれぞれの役を演じ切りました。すごいぞ、みんな!これぞ能代支援学校ミュージカル!
 ホームページでは、エンディングを公開していますので、ぜひご覧ください。
 小学部「ブレーメンの音楽祭」は、歌やダンス、楽器演奏、そして動物になりきっての演技。かわいい!だけじゃない、上手い!だけじゃない、一生懸命!だけじゃない、体育館の空気を一瞬にして温かくしてくれる、この21名でなければつくり出せない空間。それを支える職員の温かな眼差し。いいぞ、みんな! そう叫びたくなる気持ちをぐっとこらえて、ただただ拍手を送りました。
 中学部「能代三国志」は、手話を交えた歌、太鼓、スポーツ、そして「よさこい、緑風會の舞」を披露。一人一人がこれまで培った「得意」を生かした特技を披露し、最後にはみんなで力を合わせて一つの「国」をつくり、舞う。体育館中に響き渡る掛け声。 あっぱれ、みんな! 堂々と演じる姿に感動!
 子どもたち、職員、地域の先生方、撮影協力してくださった能代高等学校放送部の皆さん、一人一人に感謝の花束を贈ります。ありがとうございました。
                                     11月4日

ホームページリニューアルしました!

この度、ホームページをリニューアルするに当たり、「校長通信」のページを作ってもらえることになり、早速、ご挨拶を申し上げます。

私は、この4月に着任いたしました 佐藤玉緒と申します。芸能人に、名前の読み方が同じ方がいるためか、覚えてもらいやすい名前ですが、漢字で表すときには「中村玉緒さんと同じ玉緒です」と伝えています(それでもダメな時は、もっと具体的に説明しています)。

本校が開校した平成6年度から5年間お世話になり、20数年ぶりに再び能代の地に戻って参りました。元気あふれる子どもたちとやさしさと気概に満ちた職員とともに、白神山地に見守られたこの地に恩返しができるように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

さて、来る10月23日(金)は、25回目となる「能代支援学校ミュージカル」の公演です。今年度の演目は、「桃太郎、発つ!」。高等部生44名が力を合わせて演じます。コロナウイルス感染症感染防止のため、残念ながら地域の皆様に見ていただくことはできませんが、これまで重ねてきた練習(稽古)の成果を十分に発揮し、胸を張って演じますので、心の中での応援をお願いいたします。

また、10月31日(土)は、学校祭です。今年度は、小学部、中学部の子どもたちによる発表があります。この日も同様に、地域の方々にお見せすることができませんが、ご家族が見守る中で、元気いっぱいの発表を見せてくれることでしょう。

ちらほらと雪の便りも聞こえてくるようになってきました。暖かな日差しをいっぱい浴びることができるように、寒くなって縮こまりがちな背筋をピンと伸ばして、元気を出していきましょう。 どうぞよろしくお願いいたします。