校長通信

2022年 希望

新年が明けて、あっという間に1月も下旬になりました。

1月14日、久しぶりの子どもたちの元気な声が広がり、学校に光が差しました。子どもたちを迎えたのは、一面に降り積もった雪、雪山でした。今年の能代は平年の3倍の雪が降り積もり、気温が低いためか溶けません。そこにまた降り積もる雪。校地内を除雪車がフル稼働。中学部や高等部の生徒、職員も除雪の日々。道路も、車がすれ違うのがやっとのところもあれば交互に通るしかないところもあり、「ゆずりあい」「おもいやり」といった気持ち、自分以外の誰かに心が動くのを実感しています。寒い地域の人々は、肩を寄せ合ったり助け合ったりすることを息を吸うように行い、生きています。

朝の暗いうちから除雪のために出勤する技師の方々は、てんこ盛りの雪をかき分けて校地内に入り、広~い前庭、駐車場を除雪します。それでも追いつかず、一日中除雪に追われています。職員も、長い通勤距離を緊張しながら決死の思いで運転し、休む間もなく打合せを行い授業へと向かっていきます。雪の降る地域の方々は、みんなこうして暮らしているのだと思うと、文句を言いたいけれどその言葉は心の中に飲み込まれます。今日は、スクールバス路線の除雪作業に精鋭部隊の職員が出向きます。皆、張り切ってくれているという話を聞き、その後ろ姿を見送りながら、この人達が秋田の教育を、秋田を支えているんだ!と感動します。みなさん、毎日本当にお疲れ様です。そして、ありがとうございます。

雪国のことだけを書いていますが、以前、鹿児島に住む友人が言っていたことを思い出します。「雪は溶けるからね」。火山灰は溶けないし、車のワイパーを動かすと窓ガラスに傷がつく。そこで暮らす人にしか分からないことがあるんですね。「イン ハー シューズ」。やはり、「大変だ~」と、自分のことだけ考えて愚痴をこぼしてはいられない!

高等部3年生が、卒業までのカウントダウンをしています。時間は刻一刻と少なくなっていきますが、思い出や子ども達の中に培われる力は増えていきます。別れは淋しいけれど、大きくなっていく、成長していく子ども達を見るのはとてもうれしいです。胸を張って生きていくことができるよう、共有する時間が充実したものになるようにとの願い込めて、カウントダウンのページをめくります。

うんざりしていた日々が続いていたある日、とても寒い朝、青空が広がりました。ピンと張り詰めた空気、車窓から見える景色、白と青のコントラスト、葉を落としてすっかり元気のなくなった木々が、雪の花を咲かせて誇らしげにしているように見えて、美しい!空を見ると元気になるなあ。元気になろうと空を見るのかもなあ。鉛色の空でも、雲の切れ間から青空が見えるといいことがあったと思えるなあ。モノトーンの世界も水墨画にしたらきれいだろうなあ。元気を出そう。雪や見えないものと戦う日々に、絶対に負けない!そうだ、元気を出そう!今こそ、底力を見せてやろう!未来はきっと明るいと信じよう!   1月27日(木)更新

2021年の終わりに

今日は、2021年の最後の授業。

今年の4月、全校児童生徒101名ではじまりましたが、2名が他の学校へ転校し、99名になりました。でも、11月に1名が本校に転入したので、ちょうど100名になりました。今日のこの日を教職員を含めて、全員無事に迎えることができて本当にうれしいです。皆が、体を鍛え、心を強くして、頑張ってくれたからだと思います。元気でいてくれてありがとう。

さて、2021年が間もなく終わります。子ども達や職員にとってどんな一年だったのでしょうか。新型コロナウイルス感染症への対応は昨年度よりも厳しい状況もありましたが、どんなことにも動じることなく、「できることをできるようにやる」と、知恵を出し合って乗り越えることができたように思います。困難に直面したときの本校職員の底力はすごい!といつも感心します。子ども達はというと、運動会、修学旅行、ミュージカル、学校祭、田植えと稲刈りなどの行事はもちろん、部活動、各種大会や競技会、作品展など、様々な学習で力を発揮し、力を蓄え、磨いてきました。上手くいったこともいかなかったことも、笑いあったことや涙を流したこと、努力が実ったことも報われなかったことも、いろんなことがあったと思います。何か一つでも、心に残るものがありますように。知らないうちに身に付いて、知らないうちに成長して、この1年の軌跡は、子どもたちの未来の支えになると信じています。

さて、来年は寅年(何を隠そうこの私も寅年。そう、来年は年女…う~ん)。干支は「壬寅」。丑年で出た芽が、成長する、生命が誕生し、伸びていくような年になりやすいと言われています。全ての人が、大きく成長する、実りある一年になりますように。

明日から冬休みに入ります。子ども達に3つのお願いを伝えました。一つ目は、事故に遭わない、病気やけがをしないこと。二つ目は、自分の命、他人の命を大切にすること。三つ目は、1月14日、元気な姿を見せること。絶対に守ってもらうよう、指切りげんまんまでしました(破ったら、校長室でお話ししましょう…こわっ)。

よいお年をお迎えください。                        12月24日

学校祭 「輝(ひかり) 共に笑って、共に楽しむ」

10月23日(土)、学校祭第2部が行われました。朝からバケツの水をひっくり返したような雨が降る生憎の天気でしたが、「全てが整えば、雨が降る」(NHK 朝ドラより)、その通り!小学部が始まる頃には青空が広がり(その後は、降ったり止んだりでしたが)、晴れやかな心で始めることができました。

小学部の発表は、「つたえたい、みんなのおもい ~小学部の一日~」。         これまでの生活や学習をとおしてできるようになったことや頑張ったことの発表です。1年生から3年生は、体育やアップタイムの時間をとおして、前転ができるようになった、連続ジャンプができるようになった、階段の上り下りが一人でできるようになった、ボールキャッチやシュートができるようになったなど、たくさんのできるようになったことや頑張ったことを、一人一人が演じました。客席の保護者の皆さんの目が、一人だけに向けられるって、スポットライトが自分だけに当てられることって、一生の中でそれほどないのではないでしょうか。そんな緊張感MAXの中で、立派にやり遂げた子どもたち。素晴らしい!           4年生から6年生までは、祭りのお囃子に合わせて太鼓や踊りを披露。気持ちを一つにしてたたく太鼓の音は、体の中心にまで響き、とても心地いいもの。踊りを担当した3人は息もぴったりで、とにかく笑顔が素晴らしい。見ているこちらの足や手が自然に動いてしまうくらい、楽しそうに踊っていました。                                    最後は、全員集まって合唱。楽しいこともたくさんあるけど、つらいこともあるよね。でも、みんなで歌を歌って元気になろう!って、みんなで歌った「虹」。「ラララ  にじが にじが 空にかかって きみのきみの 気分もはれて きっと明日は いい天気」。大人達に向けられた応援歌のようで、とても癒やされました。みんな、元気をありがとう。

続いて、中学部。今年は「桃太郎」。自分達でせりふや動きを考える、「自分達で創る桃太郎」。せりふはユーモアにあふれ、歌やダンスも個性が光る。そして、役者揃い!プロの劇団に負けず劣らずの表現力。誰一人として下を向かず、目線の先の光を真っ直ぐに見ている。コミカルな動きも真剣。だから、本当に面白いと感じる。いよいよクライマックス。鬼退治の場面で桃太郎の仲間が鬼の親分にとどめを刺そうとする寸前、桃太郎の言葉…「誰の心の中にも鬼はいる。楽をしたい気持ち、怠けたい気持ちはみんなあるけど、それに負けない強い心をもたなければならない。今日からみんなで強く生きましょう」。そして、改心した鬼達も一緒に伝統の「中学部 緑風会の舞」、元気いっぱいのよさこいを披露。力を合わせるって素晴らしいということ、仲間がいるっていうこと、誰かが道を逸れそうになったとき、手を握ってくれる友達がいるということ、演じながら感じていたに違いない。みんなの団結力、役と向き合う真摯な姿を見せてくれてありがとう。

先にミュージカル公演を終えた高等部の生徒は、この日は裏方に徹し、後輩たちのために、自分達の学校祭をよりよいものにするために、力を尽くしてくれました。受付、消毒、作業学習製品販売、前日からの準備も含め、学校を牽引する者として、進んで動いてくれました。その姿を、後ろ姿を後輩たちは見て学んで後に続きます。底力を見せてくれてありがとう。

今年は、実行委員会を立ち上げて、「子ども達の、子ども達による、子ども達のための学校祭」を創り上げました。後日行われたフィナーレでは、実行委員によるパフォーマンスに合わせて、全校児童生徒で大成功を祝いました。

学校行事が一つ終わるごとに、子ども達の成長が実感できます。創り上げる苦労はありますが、子どもの成長を見守り続ける先生達の目には「輝(ひかり)」が。子どもも「輝」、先生も「輝」、いくつもの輝が合わさって大きな輝に。素晴らしい一日でした。     11月5日

能代支援学校ミュージカル 「泣いた赤鬼~大切なもの~」

本校の学校祭が始まりました。本校学校祭は1部と2部に構成されています。

第1部は10月8日(金)。高等部による「能代支援学校ミュージカル」。今年で26回目となりました。今年の演目は「泣いた赤鬼」。担当が台本ができたと持ってきてくれたのが6月。そう6月から約5か月の間、高等部の生徒と職員は稽古や準備に奔走してきたのです。目には見えない大切なものを見付けるために、目には見えない何かと闘った5か月間だったと思います。

いざ本番。幕が上がる。ステージ上はすでに物語の世界。そこにいる生徒達は、もはや「生徒」ではなく、また物語の中の「役」でもなく、まるでその世界で本当に生きているようにそこにいる。一気に引き込まれてしまいました。一週間たった今も、心の深いところが熱くなります。

笑いあり、涙ありの渾身の演技。すばらしかった。本気でぶつかるものに出会うことができた生徒達は、一回りも二回りも大きくなったように感じました。これぞ、本物の体験!ここまで導いてくれた先生方、地域の諸先生方に心から感謝します。

そして、客席からペンライトを準備して応援してくださった保護者の皆様、生徒達はどれほど勇気づけられたことか。本当にありがとうございました。

そしてそして、学校祭オープニングを務めてくれた中学部の皆さん。よさこい演舞、迫力ある舞、高等部によるミュージカルと学校祭の成功を祈る魂のこもった舞、中学部の団結力、とても素晴らしかったです。

コロナ禍でなければ、もっと多くの方々に見ていただきたかったです。

さあ、10月23日(土)の第2部も、がんばっていきましょう!       10月15日

心一つに その2

今日は、特別支援学校総合体育大会が行われるはずだった日。本校では、校内大会「みんなのスポーツデイ」を開催しました。「ピン倒し」「グラウンドゴルフ」「フライングディスク」の記録会、「サッカー」「ネオホッケー」「バスケットボール男子・女子」は職員チームとの対戦が1日の日程で計画され、会場で応援できない種目は教室等でテレビ観戦できるように実況中継し、「ノシロンピアン」達の勇姿を全員で見守りました。「ピン倒し」などの記録は、このあと特総体事務局に送り他校と競うことになるので詳細は秘密ですが、体育館やグラウンドは静かな大歓声(?)に包まれました。みんなすごい!

「サッカー」は、全校児童生徒が外に出て応援しました。最初にゴールを決めたのは職員チーム。悔しがる間もなく、逆転を目指して発憤する選手達。そして同点ゴール。応援席のボルテージも最高潮に達し、大いに盛り上がりました。終了後、応援していた小学部児童に「サッカーやりたい人は」と訪ねると、そこにいる全員が元気に手を挙げました。ボールを渡すと、思い思いにドリブルやシュート。満面の笑み。本物を見て、体験して、子どもたちが何かを見つけたんだなあ。「ぼく、サッカー部に入ってもいい?」S君のうれしそうな声がグラウンドに響きました。ここの一つの「夢」が生まれました。

午後に行われた「ネオホッケー」。スティック操作に悪戦苦闘しながらボールのように転げる選手、ナイスファイト!「大声を出して応援してはいけません」というルールをすっかり忘れて、体育館中に響き渡る声で「○○せんせー」「○○さ~ん」と叫ぶ私。興奮するとこうなるんだと自己分析。反省反省。

「バスケットボール」では、3ポイントラインが引けず全て2ポイントでしたが、これは絶対3ポイントだ、というシュートがどんどん決まり、またここでも大声で声援を送る私(反省反省)。男女ともに職員チームの勝利でしたが、一人として諦める選手はおらず、最後の1秒まで戦った気持ちは、このあとのチームの、選手達の原動力になるでしょう。全員を試合に出した監督の采配も素晴らしかったです。それにしても、一切の手加減なしで、全力を出して胸を貸した先生達。熱いものを感じました。この日は、子どもたちのがんばる姿を見られたのが一番でしたが、先生達のいろいろな面を発見できたのも私にとっては大きな収穫。宝物を見付けた気がしました。

短期間でここまで計画し、分担された役割に淡々と向き合い、選手や応援する子どもたちと心を一つにする素晴らしい職員の皆さんと一緒に仕事ができることに感謝します。  9月17日

心一つに

夏休みが終わり、子どもたちの元気な笑顔と姿が見られ、学校に光と温かさが戻りました。夏休みが終われば真っ黒に日焼けした顔が見られるのが常でしたが、思うように外に出ることもできず、不完全燃焼の夏だったかもしれません。そんな中にあっても、工作や絵などの作品、絵日記、読書感想文など、自分の好きなことに打ち込んだり、初めてのことに挑戦したり、それぞれに充実した夏を過ごすことができたようで、安心しています。

夏休み明けの全校集会では、小学部から高等部までの全員が、それぞれの場所で背筋を伸ばし、話をする人に目や耳を向け、真剣な態度で臨む姿に感銘を受けました。長期の休み明けとは思えないほどその姿は立派で、「身に付いたことは忘れない」ということを実感することができました。身に付けるまで支え続けている先生や保護者の皆さん、それに応える子どもたちに感動を覚えました。

この夏は、オリンピック・パラリンピックの応援に燃えました(燃えています)。一つの競技に、様々な国の選手がそれぞれの場所で、「強くなりたい」という共通の思いをもって向き合っていること、全ての選手を支える誰かがいるということ、オリンピック・パラリンピックは「一人じゃない」ということを感じることができて、勝敗の行方以上に心が熱くなります。メダル獲得の華々しさの陰にある涙や汗、血のにじむようなトレーニング、挫折…想像を絶するものがあったのだろうと思います。この選手達に追いつくことは到底できないけれど、自分にも何かできることがあるかもしれないと、4年に1回ごとに夢を膨らます私です。

9月17日に予定されていた「特別支援学校総合体育大会」が中止になりました。部活動や体育でがんばってきた成果をぶつける機会がなくなってしまいましたが、そこはさすが本校職員、だまって見ているわけがありません。校内大会を行おうと、必死に計画を立てています。子どもたちよ、先生達が受けて立つ!必死にぶつかってきなさい。先生達は簡単には倒せません。心を一つに、あきらめることなく、全力で。               9月1日

夏休みです!

4月の始業式から4か月、いよいよ夏休みを迎えます。子ども達も先生達もいつもに増して明るい表情に見えるのは、私自身がウキウキしているからでしょうか。

この4か月、コロナ禍に負けず、今の時点でできることを精一杯に取り組もうとしていることが、どうか止められませんようにと、朝、目覚めると神様や仏様、万の神々に祈る毎日でした。子ども達や先生達も、言葉にはしませんが同じような気持ちだったと思います。今日この日を無事に迎えることができて、一安心です。

この4か月、運動会、宿泊学習、修学旅行、校内実習、現場実習など、様々な行事や学習を積み重ねてきました。今年度新たに、月に1回「全校清掃日」を設けて、校内大清掃に取り組んでいます。もちろんその日だけ清掃しているわけではありません。元気に勇ましく(?)雑巾掛けをがんばる子、ほうきの使い方に気を付けて、隅々のほこりを入念に掃いている子、友達と協力して重い物を持ち上げて移動する子などなど、校舎をきれいにしようと、自分のすべきことに主体的に取り組んでいます。校舎をきれいにすることは、自分達のためであることはもちろんですが、今ここにいる子どもだけでなく、この先、ここで学ぶ子ども達のためでもあります。子ども達には、自分達の頑張りは、未来の子ども達へとつながっている、つまり、未来の地域に貢献しているのである、ということを伝えていきたいと思います。

本校の夏の行事として、地域の方々とともに創る「しののめ夏祭り」があります。コロナ禍のため昨年から開催を取り止めていますが、例年、祭りのフィナーレを飾った「打上げ花火」。今年は地域の方々に元気を届けようと、花火の打ち上げを行うことにしました。校地内で見るのは児童生徒とその家族、本校職員のみですが、地域の皆さんには、それぞれの場所でご覧いただきます。夏の夜空に咲く160発の大輪の花が、見た人全ての心を潤しますように。そして、本校と地域の皆さんの心をつないでくれますように。

2021年の夏、家のテレビでオリンピックや高校野球などを見るもよし、料理に目覚めるもよし、平凡だけど心温まる出来事が一つでも心に刻まれますように。

7月21日

子ども達の底力を発見!

5月18日(火)は運動会。昨年度の運動会は中止。代わりに「運動がんばろうウイーク」として各学部それぞれで考えた競技をそれぞれで行いました。今年こそは!と担当者が気合いを入れれつつも、新型コロナウィルス感染症の拡大防止対策を講じるに当たり、私たちは考えました。保護者の皆様に応援いただくには、小学部、中学部、高等部、それぞれに行う分散開催しかない。土曜日に開催し、保護者の皆様の声援を浴びて行いたい。しかし、それを一日の日程で行うには、各学部1時間程度。雨天の場合はどうするか。などなど、さらに考えました。私たちは、昨年度の高等部3年生がリーダーとなって引っ張るものがほとんどなく、生徒達に寂しい思いをさせてしまったことを覚えています。「今年こそは、生徒の心に一つでも多くの思い出をつくりたい」(本校だけでなく、全国全ての先生達は共通の思いをもっているに違いありません)。そこで、全校児童生徒で、子ども達による、子ども達のための運動会にすることとし、平日開催を決めました。保護者の皆様には、「応援したい、この目で子どもの頑張りを見たい」という気持ちに応えられず申し訳ありませんでした。しかし、予行が行われた5月13日も本番当日も、運動会日和!これはまさに保護者の皆様の思いが青空を呼んでくれたのです。空はつながっている、思いもつながっている、そう実感することができました。その思いに応えて、全力疾走の徒競走、友達と協力し合った学部種目、力と力がぶつかり合った綱引き、天を目指して玉を投げ上げた玉入れ、バトンで思いをつなぎ合った色別対抗リレー、子ども達は、全ての競技で自分がもっている力を存分に発揮しました。中でも、普段、車椅子に乗っていることの多い子が、自分の足で、またはウオーカーを操作して、または動かすことができる手を使って、力一杯ゴールを目指した姿を忘れることができません。そしてさらに、生徒会長のM君が、周りに競争相手がいなくなっても、ゴールテープを切るまで全力疾走した姿に感動!子どもが本来もっている力を見せてくれる、学校行事の意義はここにあり!素晴らしい一日をありがとう。

5月24日(月)、全校田植えを行いました。予定では、21日(金)の実施でしたが、生憎の雨(でもきっと、神様が少し休めと降らせた雨)。当日は曇り空でしたが、田植えには程よい天気。苗の植え方を聞いて、早速田植え開始!泥の中を歩いて進むことと苗を植えること、この二つをほぼ同時に行うことは至難の業。案の定、空になった長靴が田んぼの中に点在。長靴におさらばした子どもは心なしかうれしそう。苗を植えることよりも、泥んこになることの方が大事な時期ってあるなあと、子どもの頃に裸足で田んぼに入って遊んだことを思い出しました。中学部や高等部の生徒達も、歓声を上げながら泥と格闘していました。天井のある建物の中と違って、どんなに伸びても手が届かない空に見守られ、こんなにも生き生きとした表情を見せる子どもたち。まだ見ていない力がまだまだあると感じた一日でした。    5月25日

新年度が始まりました! 

例年に比べ、とてつもなく早い勢いで桜の開花の声が聞こえています。冷たい風につぼみを堅くしていた校地内の桜の木々も、春の暖かな日差しを受けて一つ二つと花をほころばせ始め、5分咲きくらいになってきました。昨年度は臨時休業があり、子どもたちのいない学校でひっそりと咲き、散っていきました。せめて写真で見てもらおうと、子どもたちが登校する日のために校内のあちらこちらに掲示したことを思い出します。今年は、子どもたちとともに桜を愛でることができます。小さいようで大きな幸せです。

さて、今日は入学式。小学部5名、中学部7名、高等部14名の新入生を迎えました。新入生の皆さんは緊張した面持ちでしたが、希望に満ちたキラキラと輝く目をしていました。在校生は、教室等からオンラインで流れる映像を見ながら新入生を歓迎しました。代表して歓迎の言葉を述べた児童生徒会長もまた、キラキラした目をしていました。101名の子どもたち、一人一人がもっている力を発揮して、よい学校を創っていきましょう。

保護者の皆様、地域の皆様、関係する全ての皆様の力をお借りして、この一年を充実したものにしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

2021年4月8日

さみしさのゆくえ

ある日、高等部の生徒が話を聞いてほしいと校長室にやってきました。卒業式に在校生も出してほしいとの訴えでした。今年度の卒業式は、卒業生とその保護者、児童生徒会役員、関係する教職員のみが体育館に入って行うことにしました。在校生は教室等で式の様子をテレビ画面で見守り、間接的に参加します。コロナ禍における感染症予防によるものです。しかし、このような形での参加は、とても淋しいと生徒は言いました。学び舎を去りゆく先輩の姿を、直接目に焼き付けたいということでしょう。子どもたちは、大人ほど多くの「別れ」を経験していません。その大人でさえ「別れ」への慣れや心の準備は無に等しいです。子どもたちはなおさらでしょう。淋しさはどこへいくのでしょうか。誰かが救えるものでしょうか。そんなことを考えながら、「淋しいという心を、がんばれというエールに換えてほしい。体育館にはいなくても、離れた教室から気持ちを届けてほしい。見えなくても、心は届けることができる」と話しました。やがて見送られる日が来るこの生徒が、淋しさを乗り越えて胸を張って卒業できるように、この卒業式を素晴らしいものにしたいと心から思いました。

外は吹雪。青空が見えたと思ったら、あっという間に視界ゼロ。ここは山頂か!  2月24日

1年の計

2021年、年が明けて間もなく1か月となります。

冬休みがもうすぐ明けるというころ、能代をはじめ、県内の多くの地域が暴風雪に見舞われました。朝、一時間半ほどを掛けて学校にたどり着くと、どこまでが校庭でどこからが校舎なのか分からないほど一面真っ白で、校舎に入るのも一苦労でした。午後になって、少し風が収まり、何を思ったか窓を開けてみました。しかし、窓は空いたものの、窓にはびっしりと同じ大きさの氷が張り、パンチで氷を割らない限り外の様子は見れそうもありません。パンチをして負けてしまいたくなかったので、何事もなかったように窓を閉めました。子どものころは、こんなことも普通にあったような気がするなと、雪が少なくなったことにすっかり慣れてしまった柔な自分が可笑しくなりました。

この暴風雪の影響で、能代市はもちろん県内の多くの地区で停電となり、寒さと風の音に震えた方がたくさんいらしたこと、未だに停電の影響を受けている方ががいらっしゃること、大雪に見舞われている県南地区の方々にずっと心を寄せていたいと思います。

1月14日、子どもたちの声が響き渡り、学校が息を吹き返したように明るくなりました。

各教室前の廊下には、冬休み中の思い出絵日記、毛筆で書かれた一年の抱負が掲示されています。雪が積もった冬休みは、そりなどの冬にしかできない遊びをプレゼントしてくれたようです。「籠球上達」「階段運動」「体力向上」「丈夫な体」などの身体を鍛える目標もあれば、「静」「悟」「集中」などの精神を鍛える目標もあり、頼もしい限りです。「目標達成」できるよう「無我夢中」で頑張って!

本校の前庭には「タゴール」の像が立っています。タゴールは、インドの思想家、哲学者、画家、詩人であり、1919年にアジア人として初めてノーベル賞を受賞した方です。ヒューマニズムや人間の尊厳を尊重する思想は、障害のある子どもの教育の理念に通じるもの、その思いを込めて初代石井校長が建立したものです。開校2年目のことでした。当時の生徒会長が、「この像を見ていると、気持ちが落ち着く」というようなことを話したことが記憶に残っています。私も、心を落ち着かせて、タゴール像に向き合わねば。

車窓から

ある日、玄関に出てスクールバスを見送ることができず、出発したバスを校長室の窓から手を振って見送りました。すると、それに気が付いた生徒がこちらに向かって見えなくなるまで手を振り返してくれました。出会ったころのその生徒は、バスに乗るとすぐに下を向き、挨拶もせず、手を振ることなど至難の業といった様子でした(実は人見知りで、赴任したばかりで、しかも子どもたちの前で話す機会が極端に少なかった私を知らなかったせいかもしれません)ので、車窓から見えたその光景がうれしくてたまりませんでした。一瞬で「校長室の孤独」から解放されました。ありがとう!

今年も雪が降りました。車窓から見える景色がモノトーンの世界に変わりました(必死に運転しているため、景色を楽しむ余裕はあまりないのですが)。外気温はマイナスを示しているのに車内は28度に温度設定され、窓が外からの寒気の侵入を阻んでくれています。時折窓を開けて換気をすると、眠気が一気に吹き飛びます。窓は、内と外とを分けるものであり、またつなぐものでもあると感じました。安全運転を心掛けながら、車窓から見える景色を楽しみたいと思います。

冬季に隔年で行っている「能代ウインターカップ」。「バスケの街 能代」に立地する本校主催(今年度は、秋田県特別支援学校体育連盟が共催)のバスケットボール大会です。今年度で第5回を迎え、12月19日(土)に能代市総合体育館を会場に開催しました。コロナ禍で開催が危ぶまれましたが、県内7校男女合わせて11チームが参加し、(ほぼ)無観客、大きな声を出しての応援なしの中、熱い戦いが繰り広げられました。本校は、女子優勝、男子準優勝の成績を残し、高等部3年生の最後の大会に花を添えることができました。準優勝は、最後の試合で負けてしまうため、選手にとっては残念な気持ちが強く残ってしまいますが、一人一人が最後まであきらめずに戦ったこと、決勝まで勝ち上がるまでチーム一丸となって戦ったこと、初めての大会でも臆せずに試合に臨んだこと、そのすべてが賞賛すべきものだと思います。男子も女子も、みんな、素晴らしい戦いぶりでした。

明日から冬休みに入ります。登校した子どもたちは、いつもに増して元気そうに見えます。いろんなことがあったと思うけれど、胸を張れる1番の出来事が、どの子どもにもあるはず。頑張っていれば、必ずいいことがあると信じて、子どもたちにとっても、保護者の皆さんにとっても、職員にとっても、そして、世界中の人々にとっても、希望に満ちた一年になることを祈ります。

車窓から見える景色は、車に近いところは反対方向にものすごい速いスピードで過ぎ去っていきますが、遠くに見える月は、ずっと寄り添ってついてきてくれます。そんな月のようになりたいと思います。                                                                                     12月25日

学校祭大成功!

 今年度は、新型コロナウイルス感染症によってほとんどの学校行事を中止せざるを得ない状況にありましたが、今年度初の全校挙げての学校行事、学校祭を開催することができました。
 10月23日(金)に学校祭第1部として高等部44名による「能代支援学校ミュージカル『桃太郎、発つ!』」を能代市文化会館で公演しました。10月31日(土)には学校祭第2部として、小学部21名による「ブレーメンの音楽祭」、中学部32名による「能代三国志」のステージ発表を行いました。高等部生は、第2部でも校内の装飾や清掃、観客席の消毒作業、受付や誘導など、率先して頑張ってくれました。
 能代支援学校ミュージカルは、今年度で25回目の公演となります。地域のたくさんの方々に支えられた本校の伝統ある行事の一つです。感染症予防対策を講じながら、数か月間に及ぶ稽古、稽古、稽古。台詞、歌、ダンス、間合いetc、覚えることや準備することが山ほどあり、生徒たちは逃げ出したい気持ちと必死に戦っていたと思います。生徒を支える職員もまた、地域の先生の所に出かけて歌や振付を覚えたり、衣装を作ったり、連日遅くまで話合いを重ねたり、この日のために力の限りを尽くしてくれました。
 いざ、本番! 生徒一人一人が、これまで繰り返し繰り返し行ってきた稽古に裏打ちされた、自信に満ちた表情で、見事にそれぞれの役を演じ切りました。すごいぞ、みんな!これぞ能代支援学校ミュージカル!
 ホームページでは、エンディングを公開していますので、ぜひご覧ください。
 小学部「ブレーメンの音楽祭」は、歌やダンス、楽器演奏、そして動物になりきっての演技。かわいい!だけじゃない、上手い!だけじゃない、一生懸命!だけじゃない、体育館の空気を一瞬にして温かくしてくれる、この21名でなければつくり出せない空間。それを支える職員の温かな眼差し。いいぞ、みんな! そう叫びたくなる気持ちをぐっとこらえて、ただただ拍手を送りました。
 中学部「能代三国志」は、手話を交えた歌、太鼓、スポーツ、そして「よさこい、緑風會の舞」を披露。一人一人がこれまで培った「得意」を生かした特技を披露し、最後にはみんなで力を合わせて一つの「国」をつくり、舞う。体育館中に響き渡る掛け声。 あっぱれ、みんな! 堂々と演じる姿に感動!
 子どもたち、職員、地域の先生方、撮影協力してくださった能代高等学校放送部の皆さん、一人一人に感謝の花束を贈ります。ありがとうございました。
                                     11月4日

ホームページリニューアルしました!

この度、ホームページをリニューアルするに当たり、「校長通信」のページを作ってもらえることになり、早速、ご挨拶を申し上げます。

私は、この4月に着任いたしました 佐藤玉緒と申します。芸能人に、名前の読み方が同じ方がいるためか、覚えてもらいやすい名前ですが、漢字で表すときには「中村玉緒さんと同じ玉緒です」と伝えています(それでもダメな時は、もっと具体的に説明しています)。

本校が開校した平成6年度から5年間お世話になり、20数年ぶりに再び能代の地に戻って参りました。元気あふれる子どもたちとやさしさと気概に満ちた職員とともに、白神山地に見守られたこの地に恩返しができるように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

さて、来る10月23日(金)は、25回目となる「能代支援学校ミュージカル」の公演です。今年度の演目は、「桃太郎、発つ!」。高等部生44名が力を合わせて演じます。コロナウイルス感染症感染防止のため、残念ながら地域の皆様に見ていただくことはできませんが、これまで重ねてきた練習(稽古)の成果を十分に発揮し、胸を張って演じますので、心の中での応援をお願いいたします。

また、10月31日(土)は、学校祭です。今年度は、小学部、中学部の子どもたちによる発表があります。この日も同様に、地域の方々にお見せすることができませんが、ご家族が見守る中で、元気いっぱいの発表を見せてくれることでしょう。

ちらほらと雪の便りも聞こえてくるようになってきました。暖かな日差しをいっぱい浴びることができるように、寒くなって縮こまりがちな背筋をピンと伸ばして、元気を出していきましょう。 どうぞよろしくお願いいたします。