校長室から

今、改めて「時代を拓く、学校を開く、子どもの心をひらく」

                           校長 佐 藤 圭 吾

 5月8日に、新型コロナウィルス感染症が5類感染症へ移行されました。これを受けて、3年あまり制限してきた教育活動について、それらの価値や必要性を十分に検討し、精選・重点化した上で、慎重かつ前向きに実施し、併せて公開することにしました。

 その皮切りとして、4年ぶりに保護者の皆様をお迎えして運動会を実施しました。当日は、全校児童生徒が心一つに力を合わせて競技に臨み、勝利を目指しながらも、一人一人が自分のもてる力を最後まで出し切る姿が光りました。また、互いに励まし、労う姿が随所に見られました。田植えも久しぶりに全校児童生徒が一堂に会して行い、保護者の皆様に御覧いただきました。時々、明るい笑い声が湧き上がる和やかな雰囲気の中、子ども達は、目印の紐を手掛かりに黙々と植えたり、言葉を掛け合って苗を受け渡したり、植えていない箇所を見付けて自分から植えたりと、片付け作業まで主体的に活動しました。どの場面でも子ども達はよく働き、多くの子ども達が「やり切った」と手応えを感じていました。保護者の皆様には、生き生きと活動に臨む子ども達の姿から、学習の様子と成長の一端を御確認いただけたのでないかと思います。人の営みは、人と人の交流が基盤となること、その交わりを穏やかに豊かにしていくことの大切さを噛みしめた一コマでもありました。

 今年度、本校は開校三十年目を迎えました。学校教育目標「拓く(ひらく)」は、学校が設置された東雲台地が、かつて入植者が難儀して開拓した場所であることから、開拓者精神を学び、教職員一人一人が特別支援教育のパイオニアを目指して取り組んでいきたいという決意が込められています。また、学校を「開く」という意味もあり、交流及び共同学習、学校行事や作品等の公開、地域貢献活動等を通して、児童生徒や本校教育活動への理解、特別支援教育への理解などを図っていくことを目指しています。さらには、地域の貴重な資源や人材、知恵をお借りして、「子ども達の心をひらき、自立と社会参加を目指して育みたい」という強い思いが込められています。

「時代を拓く、学校を開く、子どもの心をひらく」、コロナ禍からの再スタートを切る今、改めてその意義を確認し、実践の充実を図りたいと思います。特に、交流活動や理解推進活動、地域人材や資源を活用した学習活動を効果的に展開しながら、「夢をもち、自らの道を切り拓く、たくましく生きる児童生徒」の育成に努めます。保護者の皆様、地域の皆様、関係機関の皆様の御理解と御協力を賜りたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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