バックナンバー

今、改めて「時代を拓く、学校を開く、子どもの心をひらく」

                           校長 佐 藤 圭 吾

 5月8日に、新型コロナウィルス感染症が5類感染症へ移行されました。これを受けて、3年あまり制限してきた教育活動について、それらの価値や必要性を十分に検討し、精選・重点化した上で、慎重かつ前向きに実施し、併せて公開することにしました。

 その皮切りとして、4年ぶりに保護者の皆様をお迎えして運動会を実施しました。当日は、全校児童生徒が心一つに力を合わせて競技に臨み、勝利を目指しながらも、一人一人が自分のもてる力を最後まで出し切る姿が光りました。また、互いに励まし、労う姿が随所に見られました。田植えも久しぶりに全校児童生徒が一堂に会して行い、保護者の皆様に御覧いただきました。時々、明るい笑い声が湧き上がる和やかな雰囲気の中、子ども達は、目印の紐を手掛かりに黙々と植えたり、言葉を掛け合って苗を受け渡したり、植えていない箇所を見付けて自分から植えたりと、片付け作業まで主体的に活動しました。どの場面でも子ども達はよく働き、多くの子ども達が「やり切った」と手応えを感じていました。保護者の皆様には、生き生きと活動に臨む子ども達の姿から、学習の様子と成長の一端を御確認いただけたのでないかと思います。人の営みは、人と人の交流が基盤となること、その交わりを穏やかに豊かにしていくことの大切さを噛みしめた一コマでもありました。

 今年度、本校は開校三十年目を迎えました。学校教育目標「拓く(ひらく)」は、学校が設置された東雲台地が、かつて入植者が難儀して開拓した場所であることから、開拓者精神を学び、教職員一人一人が特別支援教育のパイオニアを目指して取り組んでいきたいという決意が込められています。また、学校を「開く」という意味もあり、交流及び共同学習、学校行事や作品等の公開、地域貢献活動等を通して、児童生徒や本校教育活動への理解、特別支援教育への理解などを図っていくことを目指しています。さらには、地域の貴重な資源や人材、知恵をお借りして、「子ども達の心をひらき、自立と社会参加を目指して育みたい」という強い思いが込められています。

「時代を拓く、学校を開く、子どもの心をひらく」、コロナ禍からの再スタートを切る今、改めてその意義を確認し、実践の充実を図りたいと思います。特に、交流活動や理解推進活動、地域人材や資源を活用した学習活動を効果的に展開しながら、「夢をもち、自らの道を切り拓く、たくましく生きる児童生徒」の育成に努めます。保護者の皆様、地域の皆様、関係機関の皆様の御理解と御協力を賜りたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2023 farewell

3月20日、修了式。令和4年度の1年間を無事に過ごした子どもたちは、どこか誇らしげに、胸を張ってそれぞれの家路に向かいました。子どもたちはもちろん、それを支えてくださった保護者の皆様、そして、教え導いた先生達の頑張り、心から感謝いたします。

私事ではございますが、3月末日、本日をもちまして教職を去ります。これまで支えてくださいました全ての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。本校の校長に就任して3年、コロナ禍との戦い?せめぎ合い?でしたが、教職員、児童生徒、保護者の皆様が一丸となって、教育活動を止めることなく、工夫しながら進めることができました。本当にありがとうございました。

昨日は、私が初めて担任した子ども(今は立派に成人されています)がわざわざ来てくださり、最後のひとときに彩りを添えてくれました。24年ぶりの再会です。中学生だった二人は、あの頃の面影を残しながらも、年を重ねた分、心の大きな人になっていました。教師冥利に尽きるという言葉の意味を味わえた気がします。TDRへの旅行を約束して別れました。二人のお母さんにも会うことができて、とてもうれしかったです。ありがとうございました。

退任式では、登校してくれた子どもたちや先生達に、お願いを二つ。一つ目は、マスクを外して顔を見せてもらうこと。この日は、一人一人の顔を見ることができました。そして最後のお願いは「たまおせんせい」と、声を合わせて呼んでもらうこと。呼んでくれてありがとう。忘れません。

人に支えられた29年間でした。本当にありがとうございました。これからも、能代支援学校のこと、子どもたちのこと、卒業生のこと、先生達のことをよろしくお願いします。

「いつの日か年を取って みんなにさよなら言うときがきて 本当のありがとうを言える気持ちはどんなだろう  いつの日か年を取って 時の走馬灯見るときがきて 本当のごめんなさいを言える気持ちは どんなだろう     EPO『百年の孤独』」      3月31日

2023 旅立ちの日に

3月10日(金)、朝から雨、涙雨。令和4年度の卒業式が行われました。新型コロナウイルス感染症への対応のため、式場である体育館に、お世話になった方々全てに御臨席いただくことはできませんでしたが、秋田県教育庁教育次長 和田 渉様、PTA会長、卒業生の保護者の皆さん、来年度に最高学年になる児童生徒に見守られながら、旅立ちの時を迎えました。予行練習で卒業生の皆さんにお願いしたのは「目を合わせ、顔を見せてほしい」。28名全員が、緊張しながらも、堂々と、しっかりと、顔を上げ、目を合わせて卒業証書を受け取りました。また、「よびかけ~旅立ちのことば~」 が素晴らしかった。楽しかったこと、うれしかったこと、自分の思いを言葉や表情で表し、そして、在校生、先生方と心を合わせて歌った「旅立ちの日に」の合唱。教室で参加していた子ども達の声も合わさって、素晴らし合唱でした。子ども達はもちろん、先生方に、心から感謝します。私はこの場、この時間を共にいられて幸せです。

この出会いに寄せて

令和4年度 秋田県立能代支援学校卒業式を挙行できました。この日まで、深い愛情を惜しみなく注いでこられました保護者の皆様。立派に卒業を迎えられたお子様の姿に、これまで共に歩んでこられた日々を思い起こし、感慨もひとしおと存じます。これまで私どもが賜りましたご理解とご協力、数々のご支援に、深く感謝申し上げます。

卒業証書を手にされた、小学部2名、中学部15名、高等部11名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。今、皆さんに手渡した卒業証書は、この世にたった一つしかない、一人一人がしっかりと学び、この時間を生きた証です。その中には、皆さんががんばってきたこと、先生や家族の愛情、支えてくださった沢山の方々の優しさ、そして、共に学んだ友達との友情がたくさん詰まっています。どうか、学校での思い出とともに大切にしてください。

今年度も、新型コロナウィルス感染症の感染防止のため、多くの制約の中で行事や学習活動を行ってきましたが、約束を守り、やれることを精一杯、元気はつらつと活動する姿に、先生達も元気をもらいました。「全力疾走」を合い言葉に、一人一人がもっている力を出し切って走った運動会。自分のために、チームのために、自分を奮い立たせ、ゴールを目指す真剣なまなざし。ゴールが遠く感じられて、走るのをやめてしまいたくなった人もいたかもしれません。でも、誰一人として途中で諦めてしまう人はいませんでした。その先頭にいたのは、卒業生の皆さんでした。皆さんが頑張ったから、後輩たちが失敗を恐れずに頑張れました。その力は、学校祭でも発揮され、学部のリーダーとして、また、高等部三年生は、全校のリーダーとして後輩たちを引っ張ってくれました。ミュージカルから始まった学校祭。全校が一つになれたのも、リーダーである皆さんのおかげです。

小学部を卒業する二人は、「どんどん ニコニコ ムーブオン みんなで一緒に えいえいオー」を学級の目標に、6年生として、みんなのことを考えて行動し、いろいろな活動に進んで取り組んできたことで、自信をもって行動できるようになりましたね。毎日二人の笑顔を見るのが、とても楽しみでした。小学部に入学した頃は、初めてのことばかりで、難しいと思ったことがたくさんあったと思います。でも、人参ややズッキーニを育てることやシーカヤックに挑戦するなど、6年間、いろいろな学習を重ねるうちに、難しいと思ったことでも、少しずつできるようになって、いつのまにか楽しいと感じられることが増えたと思います。初めてのことでも怖がらずに、中学部でもいろいろな学習にチャレンジしてください。そして、たくさんの友達や仲間をつくり、中学部での生活を楽しんでください。

中学部を卒業する皆さんは、義務教育段階を修了し、新しいステージに入ろうとしています。中学部に入学した頃のことを覚えていますか。いろいろなことがあったと思いますが、皆さんは一年生の頃から、目標を決め、どこまででき、どのようになったか、それはなぜか次に何をするか、一人一人が自分と向き合い考える時間を重ねてきました。一年生の頃は、不安な気持ちに負けてしまうことも多かったと思いますが、今では、こんなに堂々としています。自分を見つめ、自分で決めたことを最後までやり遂げるということを繰り返し学習したからこそです。ふるさと能代を題材に学習した「しらみチャンネル」でも、調べる、まとめる、発表するという活動を、みんなで力を合わせて取り組んできたから、自分の思いを伝えるだけでなく、相手のことを分かろうと努力し、周りの人やものにやさしくあろうとする心を磨くことができたと思います。どうか皆さん、いろいろなことにチャレンジした中学部での3年間を忘れないでください。迷ったら、まずやってみること。今日、共に卒業する友達やこれから出会う新しい仲間と共に、いろんなことを楽しんで、充実した高等部生活を送ってください。

高等部を卒業する皆さん。巣立つときがきました。先輩たちの背中を見て頑張ってきた皆さんが、やがて後輩をリードする力を身に付け、そして社会に踏み出す力を身に付けて、今日のこの日を迎えることができたことを、本当にうれしく思います。毎日の学習はもちろん、学校行事や児童生徒会活動、部活動や寄宿舎生活など、自分で考え行動し、仲間と共に挑戦し続けた3年間。くじけそうになったことも、思いどおりにならずに悩んだこともあったと思います。でも、途中で投げ出すことなく、前を向き直して進もうとする姿を頼もしく感じていました。力を合わせて3年間やり続けたミュージカル。「自分たちが引っ張っていく」という意識が、プレッシャーをはねのけ、去年の自分を超えるために努力を重ねてたどり着いた「桃太郎、発つ」。最高の演技でした。保護者の皆さんはもちろん、小学部、中学部の後輩たち、先生たちに感動という気持ちを味わわせてくれました。ステージに立つ一人一人から、3年間で培った自信と誇りを感じました。あの姿を忘れません。いよいよ社会に旅立つときが来ました。学校生活を含めたこれまでの18年間よりも長い時間が目の前に広がります。自分で歩く道を切り拓いていくには、大変なことがたくさんあります。努力が報われないこともあります。でも、たとえ報われなくても、努力して手に入れたいものに出会い、努力を経験することは人を強くします。自分を信じて、胸を張って、前向きに生きてほしいと願っています。高等部での3年間は、長い人生でみればとても短い時間ですが、そのとても大事な時間に少しでも関われたことを幸せに思います。

お別れのときが来ました。さよならの言葉に添えて、生まれてきてくれてありがとう。本当にありがとう。皆さんのその背中をずっと応援し続けます。皆さんの進む道が、多くの幸せに包まれることを願っています。                    2023.3.13

もうすぐ春ですね~

2023年、早くも2月が終わります。雪がたくさん降ったり、とてつもなく寒い日があったりしましたが、校庭の雪は、蒸発したりアスファルトを通って土に染み込んだり、早い話が溶けています。今後の天気予報では雪マークがついている日もありますが、身構えるほどではないと高をくくっています。

ホームページでも紹介していますが、地域の除雪を行う「雪んこレンジャー」も2度出動し、中学部の生徒が一心不乱に雪かきをしました。地域の方からお礼もいただいたとか。お世話になっている地域の方々への恩返しのつもりで行っていた生徒たちは、お礼をいただけたことに感謝、感激。当たり前のことを当たり前に行っていることを認めていただけた、そんな温かい思いが生徒の心に充填されました。中学部では他にも、能代市内のお店などを紹介するパンフレットや檜山茶紹介パンフレットを作り、様々な場所に設置しています。同様に、高等部でも(今年度は)藤里町の観光PRパンフレットと作成しました(2月27日付の北羽新報で紹介していただきました)。パンフレットを作りに当たっては、取材に応じてくださった方々やお茶作りの一部を体験させていただくなど、多くの皆さんの温かい心遣いをいただきました。この学習の成果は、生徒の表情や生活態度に表れています。様々な「人」や「もの」、「こと」と子どもたちが出会うことで起きる化学反応が子どもの成長にながります。教育は学校完結ではなく、地域があってこそということを改めて感じます。どうか皆さん。本校のことはもとより、能代・山本地区に足を運んでいただき、この地域の良さを肌で感じていただければ何よりです。地域住民の皆さんも、地域、ふるさとの良さを再発見し、みんなで元気に盛り上げていきましょう。

冬晴れのある日、小学部の子どもたちはスノーシューをはいて思い思いに雪の上を走り回りました。雪は、憂鬱な気分を引き起こすものではなく、楽しみをもたらしてくれるものとして、子どもたちの胸に刻まれたことでしょう。楽しそうでした。

来週は、いよいよ卒業式です。卒業生を見守る先生方。

「春よ まだ見ぬ春 迷い立ち止まるとき 夢をくれし君の 眼差しが肩を抱く」(松任谷由実 「春よ、来い」)

もうすぐ春。刻一刻と迫る別れの時。大事に過ごしたいと思います。     2月28日

2023はじめの一歩

1月16日、子どもたちの元気な声が校舎に帰ってきました。冬休み中は、あまり雪も降らなかったため、登校の足の妨げになるものがなく安心しました。このまま春を迎えることができたらと、本気で願いました。でもきっと、雪国には雪国になるだけの理由があり、雪が降ることによってもたらされる恩恵も少なからずあるのでしょう(雪の下で土が育ち、それによって豊かな作物が育つ、とか)。過酷な中で生きると、人は自ずと人と助け合う。そうしなければ生きていけない。寒い時期を乗り越えるからこそ、温かな人間性を育むことができる。と、冬を迎えるたびに考えます。 さて、教室前の廊下には、一人一人の目標が掲げられています。漢字一文字の学級もあります。目標達成に向けて頑張ってほしい。そしてその先にあるそれぞれの夢を叶えてほしいと思いながら、凍り付きそうな廊下を歩いています。2023年の子どもたちのはじめの一歩。どんな気持ちで踏みしめただろう。

と、油断していたところに、10年に一度の寒波襲来!学習活動を止めることなく過ごすことはできましたが、校舎はホワイトキャッスル!、外は真っ白!。雪が地面と平行に猛スピードで走り抜ける。風の音というより、叫び声。ここはどこ? 「激しく舞い翔ぶ妖精たちが 前をゆくあなたの姿かき消す ストックにつけた鈴の音だけが 二人をみちびくの音のない国 Blizzard Oh!Blizzard 閉ざせ二人を 流れる距離と時間を消して」(BLIZZARD 松任谷由実)なんて、ロマンチックを感じられるわけがない!妖精というよりは悪魔のような雪、顔が痛い、目が見えない、息が吸えない。駐車場に止めている自分の車を見つけられない(駐車場にたどり着けない)。家に帰り着くまで、生きた心地が全くしませんした(保護者の皆さんも、職員のみんなも、同じ思いをしたと思います。どうか無事でありますように、明日、元気な顔に出会えますようにと願って、湯たんぽとともに眠りにつきました)。こんな日でも、学校に送り出してくださった保護者の皆様ありがとうございました(来たくても来れなかった皆様にも、ありがとうございました)。こんな日でも頑張って学校に来てくれた子どもたち、ありがとう。こんな日でも、弱音を吐かずに仕事をしてくれた職員の皆さん、ありがとう。冬来たりなば 春遠からじ…念仏のように唱える私でありました。

先ほどまで、「雪はこりごり」を匂わせるようなことを話しましたが、今、授業を回っていたら、小学部の4年生~6年生が「かんじきウォーキング(私が勝手に名付けました)」の支度中。そうそうそうでした。吹雪は嫌だけど、雪はいろいろな楽しみももたらしてくれるのでした。そり遊びも楽しむのかなぁ。いいぞぉ。

中学部と高等部は作業学習製品の販売に向けて、製品の仕上げを頑張っています。不定期に販売活動をしているのは、高等部の農園芸班。今日はリンゴ(ふじ)ジュースと小豆の販売。少し前に販売したリンゴジュースはつがる。手前味噌ではありますが、本校のリンゴジュースはおいしい!いつかどこかで見かけたら、是非購入して飲んでほしいです。私は、家に帰ったら飲み比べをしま~す。と、口に入れるものだけでなく、その他の作業学習製品も、お店で売りたいぐらいのできばえ。子どもたちと先生方の一年間の頑張りがぎゅっ、と。次の販売会が楽しみです。

さて、今年度も2か月と少しとなりました。大事に過ごして参りましょう。   1月26日

2022の終わりに

訳あって、11月の更新ができませんでしたが、11月は「思い出の森から学ぼう」、高等部1年生及び2年生の現場実習、3年ぶりの給食試食会などがありました。「思い出の森から学ぼう」は、平成27年度から5か年で取り組んだ「森の中の学校プロジェクト」から引き継いだ学習活動です。今年度は、身近な自然や森林の働き等についての学習会や名札立てを行ってきましたが、11月2日には、「あきた白神の森倶楽部」の皆さんを講師に、木がすくすくと伸びてほしいと、より育ちやすい場所への移植を行いました。コロナ禍で活動を見送ってきた全校児童生徒縦割りグループでの学習を復活させ、小学部・中学部・高等部の子どもたちがもてる力を存分に出し合って活動しました。「思い出の森レンジャー」として私の右腕となって1年間活動してきた中学部のT君を全校児童生徒に紹介することもできました。T君は、植樹された木の名前のほとんどを記憶しています(木を見れば名前が言えます)。昨日までの悪天候が嘘のように晴れ上がり、空と土と水の神様に見守られながらの1日となりました。  現場実習を行った高等部1・2年生。報告会で見せた表情は自信に満ち満ちており、充実した時間を過ごせたことはもちろん、自分の中の変化に気付くことができたと思います。お世話になった事業所の皆様、ありがとうございました。

さて、12月。10日には、本校主催の「能代ウインターカップ」。バスケットボールの大会ですが、女子は見事優勝し連覇。男子は3位と大健闘。この日は、県内各校から集まった選手の皆さんに、力一杯のプレーをしてもらいたいとの一心で、オフィシャルからモッパー(というのかな?)まで、本校の全職員が一丸となって大会を運営しました。審判を頑張ってくださった各校の先生方にも感謝です。参加してくださった各校の皆さんも、本当にありがとうございました。

2022年がまもなく終わろうとしています。どんな一年だったかを振り返りたいけれど、ええい、とにかく前を見て進むぞ!と、寅年が去ることを寂しく感じながら、一人校長室を掃除するのであった…。

冬休み、どうか元気で過ごしてください。そして、1月16日、元気な姿を見せてください。

皆さん、よいお年をお迎えください。来年もよろしくお願いします。    12月23日

学校祭2022 

本校の学校祭は第一部と第二部で行っています。今年のテーマは『みんな輝け!みんなに届け!学校祭「拓く」2022』。一人一人が輝き、活躍できる学校祭にしようという意気込みと、各学部の思いが、みなさんにしっかり届くようにという願いを込めて、子どもたちが考えたものです。10月14日(金)、第一部高等部による「能代支援学校ミュージカル」が行われる能代市文化会館に全校児童生徒が集結し、高等部の保護者の皆様が見守る中、学校祭実行委員の司会進行の下、「学校祭 オープニングセレモニー」が行いました。中学部の生徒がステージいっぱいに元気に「よさこい」を舞い、「学校祭 はじまるよ~」の横断幕で学校祭の始まりにみんながワクワク。華々しく開幕しました。

27回目となる「能代支援学校ミュージカル」。今年度の演目は「桃太郎、発つ!」。一昨年に上演したものをリニューアルしたものですが、自らの心の弱さや困難に打ち勝ち、前に向かって突き進む大切さを伝えるという内容です。先生達からの演技する生徒達への願いや思いを込めたメッセージでもあります。幕が上がる。そこにいるのは普段の生徒達ではない。「桃太郎、発つ!」の物語の中に生きる者としてそこにいる。半年間を掛けて創り上げたワールド。幕が下りる。拍手喝采!生徒や先生達の表情には、一つのことをやり遂げた自信と誇らしさがみなぎっている。小学部や中学部の子どもたちに、ああなりたいという憧れといつかは自分もという夢を授けてくれた。みんなありがとう。本当によく頑張った。素晴らしかったよ!

10月22日(土)、学校祭第二部。小学部によるステージ発表「おさかなたちの冒険 ~友だちいっぱいできるかな~」。海の中で仲良く暮らしていた魚たちですが、ある日恐ろしいマグロに多くの魚たちが食べられてしまい、逃げて助かった2匹が友達を探しに冒険に出かけるところから物語が始まります。マット運動や跳び箱といった自分の得意なものをして遊んでいる友だちや楽器の演奏や歌を歌って楽しんでいる友だちを見付け、仲良くなった2匹がみんなと仲良く暮らし始め…めでたしめでたし。前転や手押し車、跳び箱、ピン倒し、合奏など、この日のために練習を重ね、頑張っている姿を見せたい、見てもらいたいという一心でそこにいる、ただひたすらに懸命な姿がそこにありました。全てが愛おしく思えた発表、みんなピッカピカに輝いて素敵でしたよ!    続いて登場したのは、中学部。今年の演目は『西遊記』。「役になりきり、演技を思いっきり楽しもう!」というスローガンのもと、「見て楽しい、演じて楽しい発表」を目指してきました。歌、楽器や太鼓の演奏、空手演武など、これまで学習してきたことや生徒達の良さを発揮しながら、「こんにちわ~」ととても元気な神仙達のいる天竺に無事にたどり着き、ありがたい経典をもらうことができました。最後は、緑風会の舞、中学部の団結力を爆発させた舞を披露しました。一人一人が自信に満ちた表情。素晴らしかったよ!  一週間前に公演を終えた高等部生は、小学部、中学部の後輩たちの頑張りを支えようと、この日は、受付、進行、消毒、換気、作業学習製品販売と、縁の下の力持ちぶりを発揮し、学校祭第二部を支えました。 本当にありがとう。 10月25日(火)は学校祭フィナーレ。実行委員の進行で会は進み、学校祭の余韻に浸りながら、2022年学校祭の幕を閉じました。 練習風景から本番までをスライドショーで見ながら、私の心は感動でいっぱいになりました。素晴らしい子ども達と先生達に出会えたこと、同じ時間を生きていることに感謝!

感動に包まれまたまま、10月は静かに終わりを告げます。明日からはいよいよ11月。年賀状を書かなければなどとと、別にたいしたことでもないのに、別にそんなことを考えなくてもいいのに、目に見えないものに追われているような気分になっている今日この頃。日に照らされて金色に輝く銀杏を眺めながら、明日もがんばろう!と今日も思っています。    10月31日

前期の終わりに

今日で前期が終了しました。終業式は、はじめに高等部、入れ替えて小学部と中学部と、2回に分けて行いました。前期を振り返り、このような話をしました。

4月は新しい1年の始まりと入学式がありました。新しいクラスの仲間、先生、新しい勉強との出会いの1か月でした。5月は運動会がありました。『全力疾走』のスローガンのとおり、風を切り、ゴールを目指して全力で走りました。田植えもありました。泥んこになりながら、力を合わせて田んぼいっぱいに苗を植えましたね。6月と7月は、宿泊学習や修学旅行がありました。家を離れて友達と一緒に過ごした時間は、皆さんの中に、とても貴重な体験として残っていると思います。また、校内実習や現場実習といった働く力を試す学習も行われました。9月は、総合体育大会、稲刈りがありました。バスケットボール男女とピン倒し高等部の優勝!はもちろんですが、出場した全ての皆さんが、勝利を目指して頑張ったと思います。そんな皆さんを誇りに思います。

今、話したのは大きな行事についてですが、挨拶や掃除をはじめ、人に優しく接する、友達を大事にする、決めた目標を達成するために頑張るなど、毎日の学習をこつこつと頑張り続けたからこそ、素晴らしい結果を残し、楽しい思い出をつくることができたのだと思います。高等部の皆さんは、学習に集中する力が高まってきていると感じています。今、ミュージカルの練習に励んでいると思いますが、人前で演じることは、恥ずかしいという気持ちに打ち勝たなければなりません。一人一人に当てられた役のせりふや動作を行うだけにとどまらず、『桃太郎、発つ!』の物語の中でその役として生きてください。素晴らしいステージになることを楽しみにしています。小学部の皆さんは、元気いっぱいな挨拶がとても素晴らしいです。それから、毎日掃除をしてくれています。お陰で、教室がピカピカです。どうもありがとう。きれいな教室で勉強すると気持ちいいでしょう。これからも続けてくださいね。中学部の皆さんは、何事にも一生懸命なのがとてもいいです。掃除はもちろんですが、挨拶がとても素晴らしいです。遠くから歩いてくる私を見つけて、立ち止まって挨拶をしてくれます。どうもありがとう。気持ちのよい挨拶をしようと目配りをすることは、気配りや優しい心遣いにもつながっています。これからも続けてください。

さて、ここで質問です。正直な気持ちを教えてください。これまでいろいろな勉強をしてきましたが、面倒くさいと思ったことがある人はいますか。私もあります。大きなこと、大切なこと、ゼロから始めることなどは、簡単に結果に手が届くものではないですし、大抵が面倒くさいものです。面倒くさい、大変だなどという気持ちに、一度でも負けてしまったことがある人もいると思います。でも、面倒くさいと思いながらも、その気持ちと戦い、こうありたいと願う姿に近付こうと、皆さんは頑張ってきたのです。そのことを先生達は知っています。面倒くさい、やりたくない、つまらないと思っても、そこでやめてしまってはいけません。そういう人は、常にその思いから支配され、次に進むことができなくなるからです。なりたい自分になるための近道や魔法はありません。これからも自分との戦いが続きます。それは、今よりももっといい自分を見つけていくために大事ことです。自分との戦いに負けない自分をつくってください。このあと、学級にかえったら、自分のことを振り返って、なりたい自分にどれだけ近づけているかを考えてみてください。10月から始まる後学期のさらなる頑張りを期待しています。最後に、この6か月、元気に過ごしてくれてありがとう。

さて、さて、昨年購入して愛用している、中学部木工班で作っている「マグネットバー」。埋め込まれた磁石が、磁力と粘力の狭間で揺れ、3個中2個が取れてしまいました。ある日、木工室に行き、学習中の木工班の皆さんに尋ねました。「マグネット、取れてしまったんですが、どうしたらいいですか」。「そうなんですか」と受け止めてもらいつつ、「自分で直す」とか「新しいものを買う」とか、様々な意見を言ってくれます。担当の先生方も見守っていると、「直してあげます」との声。内心、その言葉を待っていました!とばかりに「本当!!!」と言うと、「私が直します」と1年生のKさんが手を挙げました。私は心から感激し、その様子を見ていた先生方もうれしそう。早速、校長室に取りに来てくれて、マグネットバーをKさんの善意に委ねました。2日後、Kさんは校長室に来て、大事そうに巾着袋からマグネットバーを取り出し、「直りました。大丈夫か心配だったので、家でも試してきました」と言って手渡してくれました。ただ磁石を貼り付けるだけではなくて、取れないか「試す」ことをしてくれたKさん。ここまでが、真の「直す」こと。使う相手への気遣いができてこその「ものづくり」。大事なことを普通にしてみせたKさん。素晴らしい!何度も握手して感謝しました。Kさんの満面の笑みが忘れられません。本当にありがとう。

「いつもの挨拶なら どうぞしないで 言葉にしたくないよ 今朝の天気は  街角に立ち止まり 風を見送ったとき季節がわかったよ  (松任谷由実 「生まれた街で」)」9月も終わるのに、未だ半袖で過ごしています。でも、爽やかな風、高い空、秋の雲。確実に季節は歩みを進めています。

ゆっくりと息をして、思い切り背伸びをして、新学期も頑張っていきますか!   9月30日

夏と秋の狭間で

夏休みが明けて、子どもたちの明るい声が帰ってきました。教室、廊下、窓から見える景色まで、子どもたちがいなかった夏休み中とは全く違ったものに思えます。子どもには、そこにいるだけで周りの全てのものに力を与える魔法の力が備わっていると心から思います。大事に育てなければ。

外で元気な笑い声がするので校長室の窓から顔を出すと、タブレット端末をもった中学部の生徒が数名。「何をするの」と問いかけると、「田んぼの稲の高さを測ります」と応答。どれくらいの高さになっているかを予想を聞くと、75センチ、78センチ、85センチなど、思い思いに答え、いざ田んぼへ。10分ぐらい経った頃、生徒の一人が校長室にやってきて、「稲の高さを測ったので写真を見せます」。タブレットの画面には105センチの赤い手書き文字入りの稲の写真。予想は外れたけれど、思ったよりも成長した稲を見てうれしそう。稲の高さを測り、写真を撮ってその場で加工し、即共有できることに感心。ICT端末を使いこなしているではないですか。その場でやり方を聞き、後でこっそりやってみようと思った私。と、次に別の生徒が入ってきて、タブレットの画面を見せてくれ、そこには110センチのワープロの文字。いろいろなことができるんだなと心の中で感心しつつ、「同じ田んぼなのに高さが違うのはなぜ」と聞いてみた。「場所によって高さが違うようです」と自分の考えを述べる生徒。と、次にまた別の生徒が入ってきて109センチのワープロ文字。それぞれがきっと一番背が高いと思った稲を探して写真を撮ったらしい。このあと教室で、どんな問いが生まれ、どんなことを考えるのか、想像しただけでとても楽しみです。9月22日は、全校で稲刈り。おいしいお米が収穫できますように。この米は、厨房で魔法を掛けられ、おいしい給食に変身します。た~の~し~み~。いただきます!

ここ数年、春と秋がとてつもなく短くて、夏と冬しかなくなってしまったように感じているのは私だけでしょうか。それでも、日々だんだん涼しくなり、空の高さが変わり、葉の色が変わり、ススキが生い茂り…、夏と冬の間にはそんな変化が確かにあります。それが「秋」。暑さ厳しい夏が過ぎ、これから迎える寒さ厳しい冬までの心の準備期間。五感をフル活用して「秋」を見つけたいと思います。

この夏、秋田県内でも大雨被害等に遭われ、復旧作業に追われている方々が大勢いらっしゃると思います。季節を感じる余裕などないかもしれませんが、それでも秋から冬を経て、必ず春が訪れます。未来は明るいと信じて踏ん張ってほしいと心から思います。

今学期も9月の1か月を残すだけとなりました。皆さん、張り切って参りましょう!

「夏は冬に憧れて、冬は夏に帰りたい。あの頃のこと今では素敵に見える(オフコース 「夏の終わり」)」。夏と秋の狭間で、この夏の出来事をゆっくりと振り返りたいと思います(おそらく来年の今頃になったら思い出せないかもしれない思うから)。           8月26日

不在の気

夏休みが始まりました。新型コロナウイルス感染症が再流行の兆しの中、外出制限は出されていないものの、自由に外に遊びに出かけることが難しい3度目の夏休みです。子どもたちはどのように過ごしているのでしょうか。夏休み前最終日の全校集会で(2学期制のため、終業式ではありません)「真っ黒に日焼けした皆さんに会えるのを楽しみにしています」という定番のような言葉を掛けることはできませんでした。この言葉を気兼ねなく使える日がまたくるのでしょうか。でも、やはり夏休みはうれしいし、楽しい。子ども達だけでなく、先生達も、もちろん私も(きっと、一番わくわくしているのは私でしょう。なぜだか分かりませんが、夏休みは「うれしい、たのしい、大好き!」がすり込まれているのかもしれません)。

コロナ禍前、夏休み前最終日には、地域の方々と共同で「しののめ夏祭り」を開催していました。開催を見送って3年目となりますが、どうにかして地域の方々とわくわくを共有したいと思い、昨年度から「しののめ花火鑑賞会」を開催しています。今年度も、天候が心配されましたが、東雲地区の夜空に170発の大輪の花を咲かせることができました。参加してくださった保護者の皆様、子ども達、ありがとうございました。この会が行えるのは、後援会の皆様のおかげです。ありがとうございました。 今年度はさらに、能代南ロータリークラブ様から、10万円のご寄付をいただき、昨年度よりも多くの花火を打上げることができました。心から感謝申し上げます。そして、Y先生、小笠原先生、お二人からの心遣いは夜空を彩る大輪の花となり、子ども達や保護者、この地域の方々に確かに届けられました。ありがとうございました。皆様、幸せなひとときを味わわせていただき、本当にありがとうございました。花火は、それを見る人々が幸せな気持ちを共有できる魔法の力をもっていると思います。どこかで花火を見るたびに、同じ時間や思いを共有したことを思い出すのも、魔法の力かもしれません。    花火の打ち上げが終わり、余韻を残しつつ会場を後にする子ども達とそのご家族を、スマートフォンのライトを掲げて見送りする本校職員。滑走路を行く飛行機の気分で帰られたのではないでしょうか。花火師の方々や消防署の皆さんにも、お礼の言葉と拍手、ライトの灯りで見送る職員達。素敵だ!大好きだ!と心から思いました。

夏休み、子どもたちのいない校舎。各教室はきれいに清掃され、すでに、休み明けの子どもたちの全てを受け止める準備を整えています。子ども達のいない校舎は、どこか寂しい。でも、そこにいないのにいるような気配、「不在の気」。そこに確かにいたからこそ感じる気配。子ども達の気を感じながら、校舎を一巡。よい夏休みでありますように。  7月25日 記

地域を知る!

先日、校長室で(たまたま)ぼうっとしていると、窓ガラスに鳥がぶつかるのが見えました。窓に近づいて下をのぞき込むと、幼鳥が一羽倒れて(?)いるではないですか。羽を広げたまま落下し、その羽をどうにか元に戻すとうずくまったまま動きません。けがをしたのだろうか、このまま飛べないままなのだろうかと思考をめぐらしていると、親鳥らしき一羽の鳥が舞い降りて、幼鳥の周りを心配そうに回ります。しかし、一周回ったくらいで飛び立ってしまいました。その姿に声を上げもせず、じっとしたまま頭だけを動かして、周囲の様子を観察しているようにも、親鳥を待っているようにも見えます。私はどうしたものかと考えながら、野鳥にはむやみやたらに触らないという教えを守り、そのまま5分くらい見ていましたが、やはり何もせずにはいられず、五城目町にある鳥獣保護センターに連絡をして対応方法を尋ね(丁寧に教えてくださいました)、猫などに食べられないように身を隠すための草むらに移そうと軍手を準備していざ外へ!。2メートルくらいまで近づいたそのとき、鳥は慌てたように翼をはためかせて飛び立っていきました。気配を消したつもりでいたのに、野生の世界は厳しくもたくましい。その名は(たぶん)ハクセキレイ。学校周辺でよく見かけます。鳥といえば、学校周辺には雀も多いです。ある日の夕方、駐車場にある看板に一羽の雀が止まり、チュンチュンと鳴いています。何か話しているのかなと考えながら車に向かう私。マスク越しに「チュンチュン」と応答するように声を出すと、それに応えるようにまたチュンチュン返してくれます。まるで言葉を交わしているかのようです。雀は逃げません。車のドア付近に立ったとき、その雀は私の目を刺すように鋭い目線を送り、5秒ほど見つめ合いました。「おまえが声の主か。何者じゃ」と言わんばかりの鋭い目。私が微笑みを返した瞬間、雀は飛び去りました。本校が創立して29年。きっと、それよりもずっと前からこの地に生息していた野鳥たち。私たちよりもこの地域のことを知っているに違いありません。改めて、自然の中に住まわせてもらっているんだと感じました。大事に守らなければ。

さて、6月もまもなく終わります。修学旅行、宿泊学習、現場実習や校内実習など、行事が目白押しの1か月でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響もなく、計画どおりに行うことができました。修学旅行は、県南地区のことを知り、PR活動を通して能代山本地区を知ってもらうことで秋田の魅力を感じ、宿泊学習は、野外活動などを通じて、能代山本地区のよさを改めて感じることができたようです。これらの学習では、結団式や決意式、報告会が行われ、学習の軌跡、足跡を心に刻みます。心に刻むことが一つ増えるごとに、子どもたちは確実に変わります。今よりももっと、一つ一つ、一人一人を大事にしていかなければと心の底から思います。

夏休みまでの約1か月、花火が打ち上がるその日まで、暑さに負けず頑張ります! 6月28日

全力疾走!

5月18日(水)、晴天。14日(土)に行われる予定だった運動会が雨で順延。よく晴れた空の下で、子どもたちが伸び伸びと運動会に臨むことができました。今年のテーマは「全力疾走 ~仲間とともに勝利に向かって突き進め!!~」。徒競走では、勝敗にかかわらず、ゴールを目指して全力疾走!もてる力を存分に発揮しました。今年度もコロナウイルス感染症への対応のため、保護者の皆様に直接観覧していただくことはできませんでしたが、ライブ配信を行い(見づらい場面も多々あったことと思われますが)、画面越しに応援していただきました。保護者の皆様の声援、ちゃんと届いていましたよ。その証拠が、あの全力疾走です。目には見えなくても、元気や勇気をくれる人が自分を見守ってくれていることを、子どもたちは知っているんだなあと、しみじみと感じた一日でした。

5月24日(火)は、全校田植え。全身泥だらけになりながら植えた苗。大きく育てという思いを込めて植えた苗。毎年行っているのにいつも新鮮に感じるのは、泥の中で歩くことが容易ではないからかな。歩き方や転び方、長靴が脱げたり履いていたはずの靴下がなくなったり、何が起きるか分からない、スリルとサスペンスが満載だからかな。「あと5分で終わります。残り5分、がんばるぞ!」の声に「おーっ!」と応える子どもたち。9月の収穫が今から楽しみです。

5月は、木々の葉っぱが青々と茂りはじめ、気温も湿度も丁度よく、とにかく気持ちがいい日が続きました。遠出がしづらかった連休でしたが、そのお陰か、淡々とただひたすら休むことができ、明けてからの日々も気持ちのアップダウンが少なかったように感じます。

さて、いよいよ6月。

「六月は蒼く煙って何もかもにじませている」(雨のステーション 松任谷由実)

雨の季節、心までジメジメにならないように、明るく元気よく!       5月31日

2022年度 出会いの記

令和4年度が始まりました。例年になく降り積もった雪もいつの間にか消え、桜や春に咲く花々に季節のバトンがつながれました。くる日もくる日も除雪に悩まされ続けましたが、今となってはその記憶も遠い彼方へ。人は辛いことや苦しいこと、悲しいことを経験したとき、それを忘れたり塗り替えたりすることで次の一歩を踏み出す力を蓄えていくのかもしれません。桜、菜の花、ハナミズキ…春に咲く花が心にしみるのは、冬の厳しさのお陰かな。

さて、4月5日は始業式。在校生69名が緊張した面持ちで登校。新しい学級、新し学級担任の先生との出会いの日。小学部に転入した2名の児童は、始業式とその後に行われた小学部集会で名前を呼ばれ、照れながらも立派に返事ができたそう。コロナウイルス感染症対策で学部ごとに分かれてリモートで行ったため、実際の表情を見ることはできませんでしたが、様子を聞いて私も安心しました。

4月8日は入学式。小学部3名、中学部7名、高等部18名の新1年生が入学しました。入学式は、保護者と新入生、在校生代表のみが式場に入り、他の在校生は各部屋に分かれて新入生を見守りました。

<入学式で話したこと>

小学部入学の皆さん。学校では、楽しいこともあれば少し難しいなと思うこともあります。たくさんの人と関わり合いながら楽しく勉強をしましょう。そして、いろいろなことに挑戦し、たくさん勉強して、大きくなってください。

中学部入学の皆さん、中学部では、初めて取り組む学習がたくさんあります。不安に感じることもあると思いますが、自分で考え、工夫し、分からないことはどんどん聞いてください。はじめは難しかったことでも、何度も繰り返すうちに確実に身についていきます。できなかったことができるようになるための近道はありません。こつこつ積み上げてください。学校は、失敗してもいいところです。間違うことを恐れず、いろいろなことに挑戦してください。友達を大切にする心も磨いてください。

高等部入学の皆さんは、本校を自分で選び、自分の力で道を開いて、今、ここにいます。自分で選んだ道に進んだのですから、これからは、自分の言葉や行動に責任をもつことが求められます。そのとき、その場で、何をすべきで何をしてはいけないのかを、自分で考え、判断し、自ら行動する力を身に付けてください。また、夢をもち、その夢を実現するための努力を怠らないでください。自分の弱さから逃げず、夢の実現のためにがんばる人を、先生たちは全力で手伝います。友達を大切にし、共にいろいろなことに挑戦していきましょう。

早いもので4月も下旬。校地内の桜は4分咲きほど。今年も、子どもたちと満開の桜を愛でることができることの幸せをかみしめています。            4月20日

2022年 旅立ち

今日は、令和3年度 卒業式。小学部3名、中学部10名、高等部20名が卒業します。式場はもちろん、卒業生の教室や教室棟の廊下は、先生方や在校生の思いが形になって素敵に彩られています。式に出席できない方々からは、沢山のお花や祝詞が届き門出をお祝いしてくださいます。ありがとうございます。 温かな卒業式にします。    続きは、式終了後に。

数時間前に卒業式が無事終了し、在校生が門出を見送る中、卒業生は学び舎から巣立ちました。厳かな中にも温かな雰囲気に包まれた卒業式。卒業証書を受け取る一人一人が自信と誇りに満ちていて、胸に刻んだ思い出は一人一人違っていても、ここで学んだ時間が確かなものであったことを教えてもらいました。一人一人におめでとうと伝えながら証書を手渡すことができることを心から幸せに感じました。

<この出会いに寄せて>

本日、保護者の皆様の御臨席の下、令和3年度 秋田県立能代支援学校卒業式を挙行することができ、これまで私どもが賜りましたご理解とご協力、数々のご支援に、深く感謝申し上げます。

卒業証書を手にされた、小学部3名、中学部10名、高等部20名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんに手渡した卒業証書は、この世にたった一つしかない、一人一人がしっかりと学んだ証です。その中には、皆さんががんばってきたこと、先生方や保護者の愛情、支えてくださった沢山の方々の優しさ、そして、共に学んだ友達との友情がたくさん詰まっています。どうか、学校での思い出とともに大切にしてください。

小学部を卒業する皆さん。「自分のために、みんなのために、レッツトライ」を学級の目標に、小学部のリーダーとして、いろいろな学習を先頭に立って頑張りました。「レッツ トライ やってみたらできた」と学んだことを忘れずに、中学部にいってもいろいろなことにチャレンジしてください。そして、たくさんの友達や仲間をつくって中学部の生活を楽しんでください。

中学部を卒業する皆さん。義務教育段階を修了し、新しいステージに入ろうとしています。初めてのこと、苦手なことに戸惑いながらも、真剣に、そして逃げずに立ち向かうことができた皆さん。この先も多くの難しいことに出会うでしょう。目の前に現れた壁は、扉です。それを開こうと努力した先に自信が生まれます。今、共に卒業する友達やこれから出会う新しい仲間と共に、もっている力を発揮して充実した高等部生活を送ってください。

高等部を卒業する皆さん。皆さんの活躍を代表するものといえばミュージカルですが、最高学年のプレッシャーに負けず、自分の役にしっかりと向き合い、台詞を心からの言葉として伝え、そうしてできあがった「泣いた赤鬼~大切なもの~」。ステージに立つ一人一人から、三年間で培った自信と誇りを感じました。あの姿を忘れません。 いよいよ社会に旅立つときがきました。学校生活を含めたこれまでの十八年間よりも長い時間が目の前に広がります。自分で歩く道を切り拓いていくには、大変なこともたくさんあります。努力が報われないこともあります。でも、自分を信じて、胸を張って、前向きに生きてほしいと願っています。 「あなたがそこにいるだけで その場の空気が明るくなる  あなたがそこにいるだけで みんなの心が安らぐ そんなあなたにわたしもなりたい(相田みつを)」 毎日こんな気持ちにさせてくれた皆さん、さようならの言葉に代えて、ありがとう。本当にありがとう。皆さんのその背中をずっと応援し続けます。

卒業生の皆さん、皆さんの進む道が、多くの幸せに包まれていることを祈っています。                            令和4年3月11日

2022年 希望

新年が明けて、あっという間に1月も下旬になりました。

1月14日、久しぶりの子どもたちの元気な声が広がり、学校に光が差しました。子どもたちを迎えたのは、一面に降り積もった雪、雪山でした。今年の能代は平年の3倍の雪が降り積もり、気温が低いためか溶けません。そこにまた降り積もる雪。校地内を除雪車がフル稼働。中学部や高等部の生徒、職員も除雪の日々。道路も、車がすれ違うのがやっとのところもあれば交互に通るしかないところもあり、「ゆずりあい」「おもいやり」といった気持ち、自分以外の誰かに心が動くのを実感しています。寒い地域の人々は、肩を寄せ合ったり助け合ったりすることを息を吸うように行い、生きています。

朝の暗いうちから除雪のために出勤する技師の方々は、てんこ盛りの雪をかき分けて校地内に入り、広~い前庭、駐車場を除雪します。それでも追いつかず、一日中除雪に追われています。職員も、長い通勤距離を緊張しながら決死の思いで運転し、休む間もなく打合せを行い授業へと向かっていきます。雪の降る地域の方々は、みんなこうして暮らしているのだと思うと、文句を言いたいけれどその言葉は心の中に飲み込まれます。今日は、スクールバス路線の除雪作業に精鋭部隊の職員が出向きます。皆、張り切ってくれているという話を聞き、その後ろ姿を見送りながら、この人達が秋田の教育を、秋田を支えているんだ!と感動します。みなさん、毎日本当にお疲れ様です。そして、ありがとうございます。

雪国のことだけを書いていますが、以前、鹿児島に住む友人が言っていたことを思い出します。「雪は溶けるからね」。火山灰は溶けないし、車のワイパーを動かすと窓ガラスに傷がつく。そこで暮らす人にしか分からないことがあるんですね。「イン ハー シューズ」。やはり、「大変だ~」と、自分のことだけ考えて愚痴をこぼしてはいられない!

高等部3年生が、卒業までのカウントダウンをしています。時間は刻一刻と少なくなっていきますが、思い出や子ども達の中に培われる力は増えていきます。別れは淋しいけれど、大きくなっていく、成長していく子ども達を見るのはとてもうれしいです。胸を張って生きていくことができるよう、共有する時間が充実したものになるようにとの願い込めて、カウントダウンのページをめくります。

うんざりしていた日々が続いていたある日、とても寒い朝、青空が広がりました。ピンと張り詰めた空気、車窓から見える景色、白と青のコントラスト、葉を落としてすっかり元気のなくなった木々が、雪の花を咲かせて誇らしげにしているように見えて、美しい!空を見ると元気になるなあ。元気になろうと空を見るのかもなあ。鉛色の空でも、雲の切れ間から青空が見えるといいことがあったと思えるなあ。モノトーンの世界も水墨画にしたらきれいだろうなあ。元気を出そう。雪や見えないものと戦う日々に、絶対に負けない!そうだ、元気を出そう!今こそ、底力を見せてやろう!未来はきっと明るいと信じよう!   1月27日(木)更新

2021年の終わりに

今日は、2021年の最後の授業。

今年の4月、全校児童生徒101名ではじまりましたが、2名が他の学校へ転校し、99名になりました。でも、11月に1名が本校に転入したので、ちょうど100名になりました。今日のこの日を教職員を含めて、全員無事に迎えることができて本当にうれしいです。皆が、体を鍛え、心を強くして、頑張ってくれたからだと思います。元気でいてくれてありがとう。

さて、2021年が間もなく終わります。子ども達や職員にとってどんな一年だったのでしょうか。新型コロナウイルス感染症への対応は昨年度よりも厳しい状況もありましたが、どんなことにも動じることなく、「できることをできるようにやる」と、知恵を出し合って乗り越えることができたように思います。困難に直面したときの本校職員の底力はすごい!といつも感心します。子ども達はというと、運動会、修学旅行、ミュージカル、学校祭、田植えと稲刈りなどの行事はもちろん、部活動、各種大会や競技会、作品展など、様々な学習で力を発揮し、力を蓄え、磨いてきました。上手くいったこともいかなかったことも、笑いあったことや涙を流したこと、努力が実ったことも報われなかったことも、いろんなことがあったと思います。何か一つでも、心に残るものがありますように。知らないうちに身に付いて、知らないうちに成長して、この1年の軌跡は、子どもたちの未来の支えになると信じています。

さて、来年は寅年(何を隠そうこの私も寅年。そう、来年は年女…う~ん)。干支は「壬寅」。丑年で出た芽が、成長する、生命が誕生し、伸びていくような年になりやすいと言われています。全ての人が、大きく成長する、実りある一年になりますように。

明日から冬休みに入ります。子ども達に3つのお願いを伝えました。一つ目は、事故に遭わない、病気やけがをしないこと。二つ目は、自分の命、他人の命を大切にすること。三つ目は、1月14日、元気な姿を見せること。絶対に守ってもらうよう、指切りげんまんまでしました(破ったら、校長室でお話ししましょう…こわっ)。

よいお年をお迎えください。                        12月24日

学校祭 「輝(ひかり) 共に笑って、共に楽しむ」

10月23日(土)、学校祭第2部が行われました。朝からバケツの水をひっくり返したような雨が降る生憎の天気でしたが、「全てが整えば、雨が降る」(NHK 朝ドラより)、その通り!小学部が始まる頃には青空が広がり(その後は、降ったり止んだりでしたが)、晴れやかな心で始めることができました。

小学部の発表は、「つたえたい、みんなのおもい ~小学部の一日~」。         これまでの生活や学習をとおしてできるようになったことや頑張ったことの発表です。1年生から3年生は、体育やアップタイムの時間をとおして、前転ができるようになった、連続ジャンプができるようになった、階段の上り下りが一人でできるようになった、ボールキャッチやシュートができるようになったなど、たくさんのできるようになったことや頑張ったことを、一人一人が演じました。客席の保護者の皆さんの目が、一人だけに向けられるって、スポットライトが自分だけに当てられることって、一生の中でそれほどないのではないでしょうか。そんな緊張感MAXの中で、立派にやり遂げた子どもたち。素晴らしい!           4年生から6年生までは、祭りのお囃子に合わせて太鼓や踊りを披露。気持ちを一つにしてたたく太鼓の音は、体の中心にまで響き、とても心地いいもの。踊りを担当した3人は息もぴったりで、とにかく笑顔が素晴らしい。見ているこちらの足や手が自然に動いてしまうくらい、楽しそうに踊っていました。                                    最後は、全員集まって合唱。楽しいこともたくさんあるけど、つらいこともあるよね。でも、みんなで歌を歌って元気になろう!って、みんなで歌った「虹」。「ラララ  にじが にじが 空にかかって きみのきみの 気分もはれて きっと明日は いい天気」。大人達に向けられた応援歌のようで、とても癒やされました。みんな、元気をありがとう。

続いて、中学部。今年は「桃太郎」。自分達でせりふや動きを考える、「自分達で創る桃太郎」。せりふはユーモアにあふれ、歌やダンスも個性が光る。そして、役者揃い!プロの劇団に負けず劣らずの表現力。誰一人として下を向かず、目線の先の光を真っ直ぐに見ている。コミカルな動きも真剣。だから、本当に面白いと感じる。いよいよクライマックス。鬼退治の場面で桃太郎の仲間が鬼の親分にとどめを刺そうとする寸前、桃太郎の言葉…「誰の心の中にも鬼はいる。楽をしたい気持ち、怠けたい気持ちはみんなあるけど、それに負けない強い心をもたなければならない。今日からみんなで強く生きましょう」。そして、改心した鬼達も一緒に伝統の「中学部 緑風会の舞」、元気いっぱいのよさこいを披露。力を合わせるって素晴らしいということ、仲間がいるっていうこと、誰かが道を逸れそうになったとき、手を握ってくれる友達がいるということ、演じながら感じていたに違いない。みんなの団結力、役と向き合う真摯な姿を見せてくれてありがとう。

先にミュージカル公演を終えた高等部の生徒は、この日は裏方に徹し、後輩たちのために、自分達の学校祭をよりよいものにするために、力を尽くしてくれました。受付、消毒、作業学習製品販売、前日からの準備も含め、学校を牽引する者として、進んで動いてくれました。その姿を、後ろ姿を後輩たちは見て学んで後に続きます。底力を見せてくれてありがとう。

今年は、実行委員会を立ち上げて、「子ども達の、子ども達による、子ども達のための学校祭」を創り上げました。後日行われたフィナーレでは、実行委員によるパフォーマンスに合わせて、全校児童生徒で大成功を祝いました。

学校行事が一つ終わるごとに、子ども達の成長が実感できます。創り上げる苦労はありますが、子どもの成長を見守り続ける先生達の目には「輝(ひかり)」が。子どもも「輝」、先生も「輝」、いくつもの輝が合わさって大きな輝に。素晴らしい一日でした。     11月5日

能代支援学校ミュージカル 「泣いた赤鬼~大切なもの~」

本校の学校祭が始まりました。本校学校祭は1部と2部に構成されています。

第1部は10月8日(金)。高等部による「能代支援学校ミュージカル」。今年で26回目となりました。今年の演目は「泣いた赤鬼」。担当が台本ができたと持ってきてくれたのが6月。そう6月から約5か月の間、高等部の生徒と職員は稽古や準備に奔走してきたのです。目には見えない大切なものを見付けるために、目には見えない何かと闘った5か月間だったと思います。

いざ本番。幕が上がる。ステージ上はすでに物語の世界。そこにいる生徒達は、もはや「生徒」ではなく、また物語の中の「役」でもなく、まるでその世界で本当に生きているようにそこにいる。一気に引き込まれてしまいました。一週間たった今も、心の深いところが熱くなります。

笑いあり、涙ありの渾身の演技。すばらしかった。本気でぶつかるものに出会うことができた生徒達は、一回りも二回りも大きくなったように感じました。これぞ、本物の体験!ここまで導いてくれた先生方、地域の諸先生方に心から感謝します。

そして、客席からペンライトを準備して応援してくださった保護者の皆様、生徒達はどれほど勇気づけられたことか。本当にありがとうございました。

そしてそして、学校祭オープニングを務めてくれた中学部の皆さん。よさこい演舞、迫力ある舞、高等部によるミュージカルと学校祭の成功を祈る魂のこもった舞、中学部の団結力、とても素晴らしかったです。

コロナ禍でなければ、もっと多くの方々に見ていただきたかったです。

さあ、10月23日(土)の第2部も、がんばっていきましょう!       10月15日

心一つに その2

今日は、特別支援学校総合体育大会が行われるはずだった日。本校では、校内大会「みんなのスポーツデイ」を開催しました。「ピン倒し」「グラウンドゴルフ」「フライングディスク」の記録会、「サッカー」「ネオホッケー」「バスケットボール男子・女子」は職員チームとの対戦が1日の日程で計画され、会場で応援できない種目は教室等でテレビ観戦できるように実況中継し、「ノシロンピアン」達の勇姿を全員で見守りました。「ピン倒し」などの記録は、このあと特総体事務局に送り他校と競うことになるので詳細は秘密ですが、体育館やグラウンドは静かな大歓声(?)に包まれました。みんなすごい!

「サッカー」は、全校児童生徒が外に出て応援しました。最初にゴールを決めたのは職員チーム。悔しがる間もなく、逆転を目指して発憤する選手達。そして同点ゴール。応援席のボルテージも最高潮に達し、大いに盛り上がりました。終了後、応援していた小学部児童に「サッカーやりたい人は」と訪ねると、そこにいる全員が元気に手を挙げました。ボールを渡すと、思い思いにドリブルやシュート。満面の笑み。本物を見て、体験して、子どもたちが何かを見つけたんだなあ。「ぼく、サッカー部に入ってもいい?」S君のうれしそうな声がグラウンドに響きました。ここの一つの「夢」が生まれました。

午後に行われた「ネオホッケー」。スティック操作に悪戦苦闘しながらボールのように転げる選手、ナイスファイト!「大声を出して応援してはいけません」というルールをすっかり忘れて、体育館中に響き渡る声で「○○せんせー」「○○さ~ん」と叫ぶ私。興奮するとこうなるんだと自己分析。反省反省。

「バスケットボール」では、3ポイントラインが引けず全て2ポイントでしたが、これは絶対3ポイントだ、というシュートがどんどん決まり、またここでも大声で声援を送る私(反省反省)。男女ともに職員チームの勝利でしたが、一人として諦める選手はおらず、最後の1秒まで戦った気持ちは、このあとのチームの、選手達の原動力になるでしょう。全員を試合に出した監督の采配も素晴らしかったです。それにしても、一切の手加減なしで、全力を出して胸を貸した先生達。熱いものを感じました。この日は、子どもたちのがんばる姿を見られたのが一番でしたが、先生達のいろいろな面を発見できたのも私にとっては大きな収穫。宝物を見付けた気がしました。

短期間でここまで計画し、分担された役割に淡々と向き合い、選手や応援する子どもたちと心を一つにする素晴らしい職員の皆さんと一緒に仕事ができることに感謝します。  9月17日

心一つに

夏休みが終わり、子どもたちの元気な笑顔と姿が見られ、学校に光と温かさが戻りました。夏休みが終われば真っ黒に日焼けした顔が見られるのが常でしたが、思うように外に出ることもできず、不完全燃焼の夏だったかもしれません。そんな中にあっても、工作や絵などの作品、絵日記、読書感想文など、自分の好きなことに打ち込んだり、初めてのことに挑戦したり、それぞれに充実した夏を過ごすことができたようで、安心しています。

夏休み明けの全校集会では、小学部から高等部までの全員が、それぞれの場所で背筋を伸ばし、話をする人に目や耳を向け、真剣な態度で臨む姿に感銘を受けました。長期の休み明けとは思えないほどその姿は立派で、「身に付いたことは忘れない」ということを実感することができました。身に付けるまで支え続けている先生や保護者の皆さん、それに応える子どもたちに感動を覚えました。

この夏は、オリンピック・パラリンピックの応援に燃えました(燃えています)。一つの競技に、様々な国の選手がそれぞれの場所で、「強くなりたい」という共通の思いをもって向き合っていること、全ての選手を支える誰かがいるということ、オリンピック・パラリンピックは「一人じゃない」ということを感じることができて、勝敗の行方以上に心が熱くなります。メダル獲得の華々しさの陰にある涙や汗、血のにじむようなトレーニング、挫折…想像を絶するものがあったのだろうと思います。この選手達に追いつくことは到底できないけれど、自分にも何かできることがあるかもしれないと、4年に1回ごとに夢を膨らます私です。

9月17日に予定されていた「特別支援学校総合体育大会」が中止になりました。部活動や体育でがんばってきた成果をぶつける機会がなくなってしまいましたが、そこはさすが本校職員、だまって見ているわけがありません。校内大会を行おうと、必死に計画を立てています。子どもたちよ、先生達が受けて立つ!必死にぶつかってきなさい。先生達は簡単には倒せません。心を一つに、あきらめることなく、全力で。               9月1日

夏休みです!

4月の始業式から4か月、いよいよ夏休みを迎えます。子ども達も先生達もいつもに増して明るい表情に見えるのは、私自身がウキウキしているからでしょうか。

この4か月、コロナ禍に負けず、今の時点でできることを精一杯に取り組もうとしていることが、どうか止められませんようにと、朝、目覚めると神様や仏様、万の神々に祈る毎日でした。子ども達や先生達も、言葉にはしませんが同じような気持ちだったと思います。今日この日を無事に迎えることができて、一安心です。

この4か月、運動会、宿泊学習、修学旅行、校内実習、現場実習など、様々な行事や学習を積み重ねてきました。今年度新たに、月に1回「全校清掃日」を設けて、校内大清掃に取り組んでいます。もちろんその日だけ清掃しているわけではありません。元気に勇ましく(?)雑巾掛けをがんばる子、ほうきの使い方に気を付けて、隅々のほこりを入念に掃いている子、友達と協力して重い物を持ち上げて移動する子などなど、校舎をきれいにしようと、自分のすべきことに主体的に取り組んでいます。校舎をきれいにすることは、自分達のためであることはもちろんですが、今ここにいる子どもだけでなく、この先、ここで学ぶ子ども達のためでもあります。子ども達には、自分達の頑張りは、未来の子ども達へとつながっている、つまり、未来の地域に貢献しているのである、ということを伝えていきたいと思います。

本校の夏の行事として、地域の方々とともに創る「しののめ夏祭り」があります。コロナ禍のため昨年から開催を取り止めていますが、例年、祭りのフィナーレを飾った「打上げ花火」。今年は地域の方々に元気を届けようと、花火の打ち上げを行うことにしました。校地内で見るのは児童生徒とその家族、本校職員のみですが、地域の皆さんには、それぞれの場所でご覧いただきます。夏の夜空に咲く160発の大輪の花が、見た人全ての心を潤しますように。そして、本校と地域の皆さんの心をつないでくれますように。

2021年の夏、家のテレビでオリンピックや高校野球などを見るもよし、料理に目覚めるもよし、平凡だけど心温まる出来事が一つでも心に刻まれますように。

7月21日

子ども達の底力を発見!

5月18日(火)は運動会。昨年度の運動会は中止。代わりに「運動がんばろうウイーク」として各学部それぞれで考えた競技をそれぞれで行いました。今年こそは!と担当者が気合いを入れれつつも、新型コロナウィルス感染症の拡大防止対策を講じるに当たり、私たちは考えました。保護者の皆様に応援いただくには、小学部、中学部、高等部、それぞれに行う分散開催しかない。土曜日に開催し、保護者の皆様の声援を浴びて行いたい。しかし、それを一日の日程で行うには、各学部1時間程度。雨天の場合はどうするか。などなど、さらに考えました。私たちは、昨年度の高等部3年生がリーダーとなって引っ張るものがほとんどなく、生徒達に寂しい思いをさせてしまったことを覚えています。「今年こそは、生徒の心に一つでも多くの思い出をつくりたい」(本校だけでなく、全国全ての先生達は共通の思いをもっているに違いありません)。そこで、全校児童生徒で、子ども達による、子ども達のための運動会にすることとし、平日開催を決めました。保護者の皆様には、「応援したい、この目で子どもの頑張りを見たい」という気持ちに応えられず申し訳ありませんでした。しかし、予行が行われた5月13日も本番当日も、運動会日和!これはまさに保護者の皆様の思いが青空を呼んでくれたのです。空はつながっている、思いもつながっている、そう実感することができました。その思いに応えて、全力疾走の徒競走、友達と協力し合った学部種目、力と力がぶつかり合った綱引き、天を目指して玉を投げ上げた玉入れ、バトンで思いをつなぎ合った色別対抗リレー、子ども達は、全ての競技で自分がもっている力を存分に発揮しました。中でも、普段、車椅子に乗っていることの多い子が、自分の足で、またはウオーカーを操作して、または動かすことができる手を使って、力一杯ゴールを目指した姿を忘れることができません。そしてさらに、生徒会長のM君が、周りに競争相手がいなくなっても、ゴールテープを切るまで全力疾走した姿に感動!子どもが本来もっている力を見せてくれる、学校行事の意義はここにあり!素晴らしい一日をありがとう。

5月24日(月)、全校田植えを行いました。予定では、21日(金)の実施でしたが、生憎の雨(でもきっと、神様が少し休めと降らせた雨)。当日は曇り空でしたが、田植えには程よい天気。苗の植え方を聞いて、早速田植え開始!泥の中を歩いて進むことと苗を植えること、この二つをほぼ同時に行うことは至難の業。案の定、空になった長靴が田んぼの中に点在。長靴におさらばした子どもは心なしかうれしそう。苗を植えることよりも、泥んこになることの方が大事な時期ってあるなあと、子どもの頃に裸足で田んぼに入って遊んだことを思い出しました。中学部や高等部の生徒達も、歓声を上げながら泥と格闘していました。天井のある建物の中と違って、どんなに伸びても手が届かない空に見守られ、こんなにも生き生きとした表情を見せる子どもたち。まだ見ていない力がまだまだあると感じた一日でした。    5月25日

新年度が始まりました! 

例年に比べ、とてつもなく早い勢いで桜の開花の声が聞こえています。冷たい風につぼみを堅くしていた校地内の桜の木々も、春の暖かな日差しを受けて一つ二つと花をほころばせ始め、5分咲きくらいになってきました。昨年度は臨時休業があり、子どもたちのいない学校でひっそりと咲き、散っていきました。せめて写真で見てもらおうと、子どもたちが登校する日のために校内のあちらこちらに掲示したことを思い出します。今年は、子どもたちとともに桜を愛でることができます。小さいようで大きな幸せです。

さて、今日は入学式。小学部5名、中学部7名、高等部14名の新入生を迎えました。新入生の皆さんは緊張した面持ちでしたが、希望に満ちたキラキラと輝く目をしていました。在校生は、教室等からオンラインで流れる映像を見ながら新入生を歓迎しました。代表して歓迎の言葉を述べた児童生徒会長もまた、キラキラした目をしていました。101名の子どもたち、一人一人がもっている力を発揮して、よい学校を創っていきましょう。

保護者の皆様、地域の皆様、関係する全ての皆様の力をお借りして、この一年を充実したものにしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

2021年4月8日

さみしさのゆくえ

ある日、高等部の生徒が話を聞いてほしいと校長室にやってきました。卒業式に在校生も出してほしいとの訴えでした。今年度の卒業式は、卒業生とその保護者、児童生徒会役員、関係する教職員のみが体育館に入って行うことにしました。在校生は教室等で式の様子をテレビ画面で見守り、間接的に参加します。コロナ禍における感染症予防によるものです。しかし、このような形での参加は、とても淋しいと生徒は言いました。学び舎を去りゆく先輩の姿を、直接目に焼き付けたいということでしょう。子どもたちは、大人ほど多くの「別れ」を経験していません。その大人でさえ「別れ」への慣れや心の準備は無に等しいです。子どもたちはなおさらでしょう。淋しさはどこへいくのでしょうか。誰かが救えるものでしょうか。そんなことを考えながら、「淋しいという心を、がんばれというエールに換えてほしい。体育館にはいなくても、離れた教室から気持ちを届けてほしい。見えなくても、心は届けることができる」と話しました。やがて見送られる日が来るこの生徒が、淋しさを乗り越えて胸を張って卒業できるように、この卒業式を素晴らしいものにしたいと心から思いました。

外は吹雪。青空が見えたと思ったら、あっという間に視界ゼロ。ここは山頂か!  2月24日

1年の計

2021年、年が明けて間もなく1か月となります。

冬休みがもうすぐ明けるというころ、能代をはじめ、県内の多くの地域が暴風雪に見舞われました。朝、一時間半ほどを掛けて学校にたどり着くと、どこまでが校庭でどこからが校舎なのか分からないほど一面真っ白で、校舎に入るのも一苦労でした。午後になって、少し風が収まり、何を思ったか窓を開けてみました。しかし、窓は空いたものの、窓にはびっしりと同じ大きさの氷が張り、パンチで氷を割らない限り外の様子は見れそうもありません。パンチをして負けてしまいたくなかったので、何事もなかったように窓を閉めました。子どものころは、こんなことも普通にあったような気がするなと、雪が少なくなったことにすっかり慣れてしまった柔な自分が可笑しくなりました。

この暴風雪の影響で、能代市はもちろん県内の多くの地区で停電となり、寒さと風の音に震えた方がたくさんいらしたこと、未だに停電の影響を受けている方ががいらっしゃること、大雪に見舞われている県南地区の方々にずっと心を寄せていたいと思います。

1月14日、子どもたちの声が響き渡り、学校が息を吹き返したように明るくなりました。

各教室前の廊下には、冬休み中の思い出絵日記、毛筆で書かれた一年の抱負が掲示されています。雪が積もった冬休みは、そりなどの冬にしかできない遊びをプレゼントしてくれたようです。「籠球上達」「階段運動」「体力向上」「丈夫な体」などの身体を鍛える目標もあれば、「静」「悟」「集中」などの精神を鍛える目標もあり、頼もしい限りです。「目標達成」できるよう「無我夢中」で頑張って!

本校の前庭には「タゴール」の像が立っています。タゴールは、インドの思想家、哲学者、画家、詩人であり、1919年にアジア人として初めてノーベル賞を受賞した方です。ヒューマニズムや人間の尊厳を尊重する思想は、障害のある子どもの教育の理念に通じるもの、その思いを込めて初代石井校長が建立したものです。開校2年目のことでした。当時の生徒会長が、「この像を見ていると、気持ちが落ち着く」というようなことを話したことが記憶に残っています。私も、心を落ち着かせて、タゴール像に向き合わねば。

車窓から

ある日、玄関に出てスクールバスを見送ることができず、出発したバスを校長室の窓から手を振って見送りました。すると、それに気が付いた生徒がこちらに向かって見えなくなるまで手を振り返してくれました。出会ったころのその生徒は、バスに乗るとすぐに下を向き、挨拶もせず、手を振ることなど至難の業といった様子でした(実は人見知りで、赴任したばかりで、しかも子どもたちの前で話す機会が極端に少なかった私を知らなかったせいかもしれません)ので、車窓から見えたその光景がうれしくてたまりませんでした。一瞬で「校長室の孤独」から解放されました。ありがとう!

今年も雪が降りました。車窓から見える景色がモノトーンの世界に変わりました(必死に運転しているため、景色を楽しむ余裕はあまりないのですが)。外気温はマイナスを示しているのに車内は28度に温度設定され、窓が外からの寒気の侵入を阻んでくれています。時折窓を開けて換気をすると、眠気が一気に吹き飛びます。窓は、内と外とを分けるものであり、またつなぐものでもあると感じました。安全運転を心掛けながら、車窓から見える景色を楽しみたいと思います。

冬季に隔年で行っている「能代ウインターカップ」。「バスケの街 能代」に立地する本校主催(今年度は、秋田県特別支援学校体育連盟が共催)のバスケットボール大会です。今年度で第5回を迎え、12月19日(土)に能代市総合体育館を会場に開催しました。コロナ禍で開催が危ぶまれましたが、県内7校男女合わせて11チームが参加し、(ほぼ)無観客、大きな声を出しての応援なしの中、熱い戦いが繰り広げられました。本校は、女子優勝、男子準優勝の成績を残し、高等部3年生の最後の大会に花を添えることができました。準優勝は、最後の試合で負けてしまうため、選手にとっては残念な気持ちが強く残ってしまいますが、一人一人が最後まであきらめずに戦ったこと、決勝まで勝ち上がるまでチーム一丸となって戦ったこと、初めての大会でも臆せずに試合に臨んだこと、そのすべてが賞賛すべきものだと思います。男子も女子も、みんな、素晴らしい戦いぶりでした。

明日から冬休みに入ります。登校した子どもたちは、いつもに増して元気そうに見えます。いろんなことがあったと思うけれど、胸を張れる1番の出来事が、どの子どもにもあるはず。頑張っていれば、必ずいいことがあると信じて、子どもたちにとっても、保護者の皆さんにとっても、職員にとっても、そして、世界中の人々にとっても、希望に満ちた一年になることを祈ります。

車窓から見える景色は、車に近いところは反対方向にものすごい速いスピードで過ぎ去っていきますが、遠くに見える月は、ずっと寄り添ってついてきてくれます。そんな月のようになりたいと思います。                                                                                     12月25日

学校祭大成功!

今年度は、新型コロナウイルス感染症によってほとんどの学校行事を中止せざるを得ない状況にありましたが、今年度初の全校挙げての学校行事、学校祭を開催することができました。

10月23日(金)に学校祭第1部として高等部44名による「能代支援学校ミュージカル『桃太郎、発つ!』」を能代市文化会館で公演しました。10月31日(土)には学校祭第2部として、小学部21名による「ブレーメンの音楽祭」、中学部32名による「能代三国志」のステージ発表を行いました。高等部生は、第2部でも校内の装飾や清掃、観客席の消毒作業、受付や誘導など、率先して頑張ってくれました。

能代支援学校ミュージカルは、今年度で25回目の公演となります。地域のたくさんの方々に支えられた本校の伝統ある行事の一つです。感染症予防対策を講じながら、数か月間に及ぶ稽古、稽古、稽古。台詞、歌、ダンス、間合いetc、覚えることや準備することが山ほどあり、生徒たちは逃げ出したい気持ちと必死に戦っていたと思います。生徒を支える職員もまた、地域の先生の所に出かけて歌や振付を覚えたり、衣装を作ったり、連日遅くまで話合いを重ねたり、この日のために力の限りを尽くしてくれました。

いざ、本番! 生徒一人一人が、これまで繰り返し繰り返し行ってきた稽古に裏打ちされた、自信に満ちた表情で、見事にそれぞれの役を演じ切りました。すごいぞ、みんな!これぞ能代支援学校ミュージカル!

ホームページでは、エンディングを公開していますので、ぜひご覧ください。

小学部「ブレーメンの音楽祭」は、歌やダンス、楽器演奏、そして動物になりきっての演技。かわいい!だけじゃない、上手い!だけじゃない、一生懸命!だけじゃない、体育館の空気を一瞬にして温かくしてくれる、この21名でなければつくり出せない空間。それを支える職員の温かな眼差し。いいぞ、みんな! そう叫びたくなる気持ちをぐっとこらえて、ただただ拍手を送りました。

中学部「能代三国志」は、手話を交えた歌、太鼓、スポーツ、そして「よさこい、緑風會の舞」を披露。一人一人がこれまで培った「得意」を生かした特技を披露し、最後にはみんなで力を合わせて一つの「国」をつくり、舞う。体育館中に響き渡る掛け声。 あっぱれ、みんな! 堂々と演じる姿に感動!

子どもたち、職員、地域の先生方、撮影協力してくださった能代高等学校放送部の皆さん、一人一人に感謝の花束を贈ります。ありがとうございました。

11月4日

ホームページリニューアルしました!

この度、ホームページをリニューアルするに当たり、「校長通信」のページを作ってもらえることになり、早速、ご挨拶を申し上げます。

私は、この4月に着任いたしました 佐藤玉緒と申します。芸能人に、名前の読み方が同じ方がいるためか、覚えてもらいやすい名前ですが、漢字で表すときには「中村玉緒さんと同じ玉緒です」と伝えています(それでもダメな時は、もっと具体的に説明しています)。

本校が開校した平成6年度から5年間お世話になり、20数年ぶりに再び能代の地に戻って参りました。元気あふれる子どもたちとやさしさと気概に満ちた職員とともに、白神山地に見守られたこの地に恩返しができるように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

さて、来る10月23日(金)は、25回目となる「能代支援学校ミュージカル」の公演です。今年度の演目は、「桃太郎、発つ!」。高等部生44名が力を合わせて演じます。コロナウイルス感染症感染防止のため、残念ながら地域の皆様に見ていただくことはできませんが、これまで重ねてきた練習(稽古)の成果を十分に発揮し、胸を張って演じますので、心の中での応援をお願いいたします。

また、10月31日(土)は、学校祭です。今年度は、小学部、中学部の子どもたちによる発表があります。この日も同様に、地域の方々にお見せすることができませんが、ご家族が見守る中で、元気いっぱいの発表を見せてくれることでしょう。

ちらほらと雪の便りも聞こえてくるようになってきました。暖かな日差しをいっぱい浴びることができるように、寒くなって縮こまりがちな背筋をピンと伸ばして、元気を出していきましょう。 どうぞよろしくお願いいたします。